XEUS

XEUS（X-ray Evolving Universe Spectroscopy）とは

XEUSは、欧州宇宙機関（ESA）と日本の宇宙科学研究所（JAXA）が共同で開発を進めていたX線分光計衛星です。X線観測衛星XMM-Newtonの後継機として、2015年以降の打ち上げを目指していました。宇宙初期の物質を観測し、そのX線スペクトルを分析することで、宇宙の様々な謎を解き明かすことを目的としていました。

観測システムの特徴

XEUSは、ミラー衛星と検出器衛星の2つで構成されています。ミラー衛星には、鏡面積5m²、1keVのエネルギーで5′以上の解像度を持つ大型のX線望遠鏡が搭載されます。検出器衛星は、ミラー衛星から約35m離れた場所を編隊飛行し、観測データを受け取ります。検出器には、2eVから1keVのエネルギー分解能を持つ低温狭域監視装置と、150eVから6keVのエネルギー分解能を持つ広域X線監視装置が搭載されています。

科学的な目的

XEUSの主な科学的な目的は、以下の通りです。

宇宙初期の物質のX線スペクトルを測定し、組成、温度、速度を分析する。
ブラックホールの起源とその星形成との関係を解明する。
バリオンの進化過程を研究する。
宇宙における重元素の合成過程を解明する。

これらの研究を通して、宇宙の進化に関する様々な疑問に答えることが期待されていました。

開発状況

XEUSに必要な技術は、現在も開発が進められています。このミッションは、欧州宇宙機関のCosmic Vision programの候補の1つとして検討されていました。

国際協力

2008年5月には、欧州宇宙機関とアメリカ航空宇宙局（NASA）が、XEUSとコンステレーション-Xのミッションを協力して実施するために、ESA、NASA、JAXAからなるグループを結成しました。このグループは、X線天文学における国際的な共同研究の開始を提案しました。

関連するミッション

XEUSに関連するミッションとして、以下のものがあります。

コンステレーション-X：アメリカ航空宇宙局（NASA）が計画していたX線観測衛星ミッション。
ダーウィン（探査機）：欧州宇宙機関（ESA）が計画していた宇宙望遠鏡ミッション。

外部リンク

XEUS overviewホームページ(ESA)
ESA International X-Ray Observatory Mission Site
Press Release Micronit and Cosine Develop Next-Generation ESA X-ray Telescope
NASA International X-Ray Observatory Mission Site

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