XFJ (航空機)

XFJ（Berliner-Joyce XFJ）について

XFJは、アメリカのバーリナー・ジョイス社が1930年に開発した艦上戦闘機の名称です。この機体は、アメリカ海軍向けに設計されたもので、初飛行は1930年の5月に行われました。しかし、試作機のみが製造され、正式に採用されることはありませんでした。

概要

XFJは複葉機であり、上翼は肩翼配置で胴体の上部に位置していました。一方、下翼は胴体の下部から離れた位置に設置されています。この設計により、航空機の安定性や操縦性が考慮されていましたが、実際の試験では問題点が浮上しました。

開発の経緯

この機体は、1929年にバーリナー社とジョイス社が合併して設立されたバーリナー・ジョイス社によって開発されました。XFJの開発は、陸軍が使用するP-16戦闘機と同時期に進められました。XFJ-1という名称の試作機はアナコスティアで試験されましたが、着陸時にグラウンドループが起こりやすく、事故が相次ぎました。

この問題を解決するために、開発チームは改設計に着手しました。その結果、エンジンを500馬力を発揮するP&W R-1340-92に換装し、エンジンカウルを追加してXFJ-2として改良されました。これにより、最大速度は310km/hに向上しましたが、地上の安定性は依然として改善されず、最終的に制式採用に至ることはありませんでした。とはいえ、1935年まで試験には使用されていました。

各型の概要

• - XFJ-1: 試作型で、製造された機体は1機のみです。
• - XFJ-2: 改良型で、エンジンの換装と空気抵抗を抑えるためのカウルが追加されています。この機体はXFJ-1を基に改造されました。

XFJ-2の諸元

• - 全長: 6.27m
• - 全幅: 8.53m
• - 全高: 2.0m
• - 自重: 1.26t
• - エンジン: P&W R-1340C レシプロエンジン（出力450馬力）
• - 乗員: 1名
• - 最大速度: 280km/h

XFJはその時代の技術や設計思想を反映した航空機であり、艦上戦闘機の発展において重要な試みの一つとなりました。航空機設計の進化において、多くの教訓をもたらしたといえるでしょう。

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