XLink

XLink（XML Linking Language）は、XMLドキュメント間でリンクを確立するための規格です。World Wide Web Consortium（W3C）によって開発され、2001年6月27日にバージョン1.0が勧告されました。2006年12月時点での最新勧告もこのバージョン1.0です。また、2006年3月28日には次期バージョンである1.1が勧告候補となり、現在勧告に向けた作業が進行中です。

当初、XLinkはW3C内のXML Linking Working Groupで、XPointerやXML Baseとともに策定が進められていました。しかし、この作業部会は現在活動を停止しており、XLink関連のドキュメントはXML Core Working Groupによって保守されています。

興味深いことに、XLinkはXHTMLでの利用に際していくつかの問題点が指摘されています。そのため、XHTMLの仕様を管理するHTML Working Groupでは、HLinkという別のリンク仕様の開発が進められており、このことが混乱を招いている現状もあります。

XLinkの特徴は、HTMLのハイパーリンク（``要素）に似ているという点です。XLinkは、HTMLの``要素をより汎用的にしたものであり、SGMLのHyTime（Hypermedia/Time-based Structuring Language）という文書間リンク規格の一部機能をXML上で実現したものと捉えることもできます。

XLinkは、単にXMLドキュメント間のリンクを記述するだけでなく、HTMLのハイパーリンクにはない双方向リンクのサポートや、ドキュメントとは独立したリンク記述を可能にするなどの機能を持っています。国際的に普及している標準仕様であり、XBRL（eXtensible Business Reporting Language）などで採用されています。

XLinkの特徴の詳細

双方向リンク: HTMLのハイパーリンクは通常、一方通行のリンクですが、XLinkではリンク元とリンク先の両方から相互にリンクを設定できます。これにより、より複雑な文書間の関係を表現できます。

独立したリンク記述: XLinkでは、リンク情報をXMLドキュメントとは別の場所に記述できます。これにより、リンク元のドキュメントを修正することなく、リンク構造を更新したり変更したりできます。

汎用性: HTMLの``要素は、主にWebページ間のリンクに使用されますが、XLinkはより多様なXMLドキュメント間のリンクを扱えるように設計されています。

多様なリンクタイプ: XLinkでは、単純なリンクだけでなく、拡張リンク、インラインリンク、アウトオブラインリンクなど、さまざまなタイプのリンクを定義できます。これにより、さまざまな用途やシナリオに対応できます。

補足

XLinkは、XMLベースの技術であり、XMLの構文規則に従って記述する必要があります。そのため、XMLの知識がある程度必要になります。また、XLinkの複雑さから、すべてのXMLパーサーがXLinkを完全にサポートしているとは限りません。

まとめ

XLinkは、XMLドキュメント間のリンクを定義するための強力なツールです。双方向リンクや独立したリンク記述などの機能により、柔軟で複雑なリンク構造を構築できます。しかし、その複雑さから、実装や利用にあたっては注意が必要です。

脚注

W3C: World Wide Web Consortiumの略で、Web技術の標準化を推進する国際的な組織です。
XML: Extensible Markup Languageの略で、データを構造化して記述するためのマークアップ言語です。
XHTML: Extensible Hypertext Markup Languageの略で、XMLの構文規則に従って記述されたHTMLです。
HyTime: Hypermedia/Time-based Structuring Languageの略で、SGMLベースのハイパーメディア文書を記述するための規格です。
XBRL: eXtensible Business Reporting Languageの略で、財務報告書などを記述するためのXMLベースの言語です。

外部リンク

XML Linking Language (XLink) Version 1.0
* XML Linking Language (XLink) Version 1.1

もう一度検索