XML基底

XML基底（XML Base）とは

XML基底（XML Base）は、XML文書内でのURI（Uniform Resource Identifier）の基底を指定するための規格です。これは、文書内で相対的なURIを用いてリソースを参照する際に、その基準となるURIを定義する仕組みを提供します。W3C（World Wide Web Consortium）によって勧告されており、XML文書の相互参照を効率的に管理するために重要な役割を果たします。

仕様

XML基底は、W3Cによって勧告された規格であり、XML文書内で`xml:base`属性を定義することで機能します。この属性は、その要素および子要素に含まれる相対URIの基準となるURIを指定します。これにより、複雑なディレクトリ構造を持つXML文書でも、リソース参照を簡潔に保つことができます。

XML基底の例

以下に、XML基底を用いたXML文書の例を示します。この例は、DocBook第5.1版に準拠した文書構造を想定しています。

xml

最初のチュートリアル

この例では、``要素に`xml:base="tut/"`が指定されています。これにより、``要素内の相対URI `tut1.xml` は、実際には `tut/tut1.xml` を参照することになります。

利点

XML基底を使用する主な利点は、以下の通りです。

1. URIの簡略化: 相対URIを使用することで、リソースの場所を記述する際に、長い絶対URIを毎回記述する必要がなくなります。
2. 文書の可搬性向上: ベースURIを変更するだけで、文書内のすべての相対URIが自動的に更新されるため、文書の移動や再配置が容易になります。
3. 管理の効率化: 多数の関連リソースを持つXML文書において、リソース参照の一貫性を保ち、管理を効率化できます。
4. 参照パスの短縮: 各リソースURIに対して相対的なパスの接頭辞を付与することで、参照パスを短縮し、XML文書をより読みやすくすることができます。

XML基底の活用例

XML基底は、以下のような場面で活用できます。

Webサイト構築: XMLで構造化されたWebページで、CSSファイルやJavaScriptファイル、画像などのリソースを効率的に参照できます。
ドキュメント管理システム: 大量のドキュメントをXMLで管理するシステムで、文書間の相互参照を容易に行うことができます。
電子書籍: XMLベースの電子書籍フォーマットで、章や節、画像などのリソースを相対的に参照することで、書籍の可搬性を高めることができます。

まとめ

XML基底は、XML文書におけるURI参照を効率化するための重要な規格です。相対URIを効果的に活用することで、文書の構造をシンプルに保ちながら、リソースの参照を柔軟に行うことができます。XMLベースのドキュメントやアプリケーション開発において、XML基底の理解と活用は、開発効率と文書管理の質を高めるために不可欠です。

参考文献

“XML Base (Second Edition)”. W3C (2009年1月28日). https://www.w3.org/TR/xmlbase/
ミッショー ウィリアム H.「XML技術と学術コミュニケーション」『情報管理』第44巻第3号、2001年、163頁、doi:10.1241/johokanri.44.163
上田 俊夫、和泉 憲明、森田 幸伯、橋田 浩一「Jena-セマンティックWebアプリケーション開発のためのJavaフレームワーク」『人工知能学会誌』第19巻第3号、2004年5月1日、325-333頁
ToyFish.Net (2000年9月9日). “XML基底”.
“XML基底”. SuikaWiki (2015年9月3日).

関連項目

拡張可能なマーク付け言語 (XML)

外部リンク

XML Base - 本規格のW3C勧告
* XML Base （第 2 版）日本語訳 - 非公式な翻訳

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