XP-34 (航空機)

ウェデル・ウィリアムズ XP-34

ウェデル・ウィリアムズ XP-34は、第二次世界大戦の前にアメリカで設計された軽戦闘機です。この機体は、富豪ハリー・P・ウィリアムズの未亡人であるマーゲリット・クラーク・ウィリアムズがアメリカ陸軍航空隊に提案したものです。彼女は元女優であり、興味深い歴史を持つ人物でした。

ウィリアムズは、その当時非常に有名なレース飛行機設計者であるウェデル・ウィリアムズ・エア・サービス会社（Wedell-Williams Air Service Corporation）のオーナーでした。この会社は、レースカーや航空機の設計において高い評価を受けており、特にエア・レーサーであるジミー・ウェデルの発想によって開発されたモデル44およびモデル45は同社の代表的な成功作となっていました。

アメリカ陸軍航空隊は1935年10月1日、XP-34の図面一式を発注しました。しかしながら、この機体に搭載されることが計画されたプラット・アンド・ホイットニーR-1535ツインワスプエンジンは、その出力が不十分であることがすぐに判明します。当初の予定では700馬力というこのエンジンでは、既に生産されていた他の飛行機と比較して性能が劣っていたため、代わりに900馬力のXR-1830エンジンへの変更を提案しましたが、陸軍航空隊はその提案に対して関心を示さなかったのです。

その結果、XP-34の開発プロジェクトは実際に飛行する機体が製作されることなく、キャンセルされることとなりました。これにより、XP-34は一瞬の計画として消え去ったのです。しかし、そのデザインの一部は、軽戦闘機の開発における設計思想に影響を与えたとも言われています。

XP-34の構造について見ると、機体の前部は金属製で、後部胴体および動翼面は布張りとなっていました。このような設計は、当時の他の多くの戦闘機と同様に、軽量化を重視しつつ、強度を保つための工夫の一環であったと考えられます。航空の進化の中で、様々な素材が試され、その中で金属と布の組み合わせは優れた性能を引き出す手段となることが分かっています。

要目

• - 乗員：1
• - 全長：7.2 m （23 ft 6 in）
• - 全幅：8.45 m （27 ft 8.5 in）
• - 全高：3.28 m （10 ft 9 in）
• - 全備重量：4,250 kg
• - エンジン：プラット&ホイットニー R-1535 空冷星型エンジン 600馬力×1
• - 最高速度：460 km/h（高度3,050 m）

このように、ウェデル・ウィリアムズ XP-34は、歴史的な背景や技術的な挑戦を通じて、航空機の進化を語る重要な一例として紹介されることがあるのです。

もう一度検索