XP-49 (航空機)

XP-49戦闘機の概要

XP-49は、アメリカ合衆国が第二次世界大戦中に開発した戦闘機であり、ロッキード社によって設計されました。この機体は、さらに改良されたP-38ライトニングを基にしたものであり、発動機の設計に関する大きな期待が寄せられました。しかし、期待された結果とは裏腹に、XP-49は試作の段階で終わってしまいました。

開発の背景

1939年9月、ロッキード社はアメリカ陸軍航空隊に対して、既存のP-38に対する改良提案を行いました。提案内容には、圧力をかけたキャビンとエンジンの強化が含まれており、この改良型はXP-49として命名されました。シリアルナンバーは40-3055とされ、1942年11月11日に初飛行を果たしましたが、開発はその後の段階に進むことはありませんでした。

機体の特徴

XP-49は双胴の設計を採用しており、全長12.21メートル、全幅は15.85メートル、翼面積は30.4平方メートルに達します。この機体は、当初予定されていたプラット・アンド・ホイットニーX-1800という2,000馬力級のエンジンを搭載することで、P-38を超えるパフォーマンスが期待されていました。しかし、X-1800の開発が失敗したため、代わりに使用されたのはコンチネンタルXIV-1430で、こちらは出力が1,600馬力とされていました。このエンジンは期待された性能を発揮できず、試験の結果もP-38を上回ることができなかったため、最終的には採用されませんでした。

性能と武装

XP-49は最大速度653 km/hを誇りますが、性能向上の目標は達成されませんでした。乗員用のキャビンは1名分で、機体には20mmの機銃が2門、12.7mmの機銃が4門装備されていました。この武装は、その時期の戦闘機としては標準的な配置であり、敵機との交戦能力を備えていましたが、エンジンの問題から実戦投入には至りませんでした。

結論

結果として、XP-49は試作という段階で姿を消しましたが、その開発過程は戦闘機の進化の一つの例として、航空機の設計やエンジン開発の重要性を示しています。このような歴史的な背景を持つXP-49は、当時の航空技術の限界と、更なる改善の必要性を教えてくれます。

参考文献

• - 『第二次大戦米陸軍機全集』航行ファンイラストレイテッドNo.74（文林堂、1994年）P146

外部リンク

• - Fact Sheets > Lockheed XP-49

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