XP-71 (航空機)

XP-71 飛行機について

XP-71は、1940年代にアメリカ合衆国のカーチス社によって設計された戦闘機ですが、実際には未完成のまま開発が終了しました。1942年に行われた計画中止のため、飛行を実現することはありませんでした。この機体は、アメリカ陸軍航空軍による長距離護衛戦闘機のニーズに応える形で提案されました。

開発の背景

1941年、カーチス社は長距離護衛戦闘機のコンセプトを立案し、それがアメリカ陸軍航空軍に採用されることとなりました。試作機として2機分の発注が行われましたが、実際の機体組立てが始まる前に、プロジェクトはキャンセルされました。この突然の中止は、軍の戦略や予算的な変化、または他の戦闘機プロジェクトの進展など、様々な要因が影響したと考えられます。

計画された機体の特徴

XP-71は、3,450hpのP&W R-4360エンジンを2基搭載しており、二重反転プロペラ方式の推進システムを採用していました。与圧コックピットを備えたこの機体は、2名の乗員が乗れるため、これにより戦闘中の快適性や操作性が向上することを意図されていました。さらに、そのサイズは通常の戦闘機を超え、双発爆撃機B-25よりも大きく、重い設計となっています。

スペック

• - 全長: 18.85 m
• - 全幅: 25.07 m
• - 全高: 5.79 m
• - 翼面積: 55.93 m²
• - 空虚重量: 14,089 kg
• - 最大離陸重量: 21,295 kg
• - エンジン: P&W R-4360-13 (3,450hp)×2
• - 最高速度: 689 km/h（高度7,620 mにおいて）
• - 航続距離: 4,800 km
• - 実用上昇限度: 12,192 m
• - 最大翼面荷重: 252 kg/m²
• - 最小出力荷重比: 242 W/kg
• - 上昇率: 7,620 mまで12分30秒

以上のスペックからも分かるように、XP-71は当時の技術水準を基にして、非常に高性能な戦闘機として設計されていたことが伺えますが、実機の運用を見ることはできませんでした。今では、XP-71は航空機の歴史の中で重要な存在となっていますが、開発が完了しなかったことが非常に残念です。航空機の進化を考える上でも、XP-71の計画は興味深いケーススタディの一つと言えるでしょう。

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