Xserve RAID

Xserve RAIDは、Appleが2003年2月から2008年2月まで開発・販売していた、3UラックマウントサイズのRAID製品です。2Gb Fibre Channelインターフェイスを搭載し、高速なデータ転送を実現していました。最終モデルでは、最大10.5TBのストレージ容量を誇り、14台の750GB Ultra ATA Apple Drive Module (ADM) を搭載可能でした。

主な特徴

デュアルRAIDコントローラ: 2つの独立したRAIDコントローラを搭載し、それぞれが7台のHDDを制御します。これにより、高い可用性とパフォーマンスを実現しています。
対応RAIDレベル: RAID 0、1、3、5、0+1に対応しており、ホストベースのソフトウェアRAIDを利用することで、10、30、50などの高度なRAID構成も可能です。
ホットプラグ対応: 各HDDは、14個の独立したATAコントローラと接続され、ホットプラグ可能なApple Drive Moduleに収められています。これにより、システムを停止することなくHDDの交換やメンテナンスが可能です。
幅広いOSサポート: Mac OS X、Mac OS X Serverだけでなく、Windows、Solaris、Linuxなど、多様なOS環境で利用可能でした。実際、ユーザーの約半数はMacやXserve以外での利用者でした。
Java製管理ソフト: RAID Adminは、OSを問わず利用できるようにJavaで開発されています。これにより、どの環境からでもRAIDシステムの管理や監視が可能です。

歴史

2002年5月14日: Xserve RAIDの開発がアナウンスされました。
2003年2月10日: 最大14基の180GB Ultra ATA Apple Drive Moduleで、合計2.5TBの容量を搭載可能なXserve RAIDが発表されました。
2004年1月7日: 最大14基の250GB Ultra ATA Apple Drive Moduleで、合計3.5TBの容量を搭載可能なXserve RAIDが発表されました。このモデルから、SFPコネクタが採用され、他の環境との接続互換性が向上しました。
2004年10月19日: 最大14基の400GB Ultra ATA Apple Drive Moduleで、合計5.6TBの容量を搭載可能なXserve RAIDが発表されました。このモデルから、各コントローラの標準搭載キャッシュが512MBになりました。
2005年9月13日: 最大14基の500GB Ultra ATA Apple Drive Moduleで、合計7TBの容量を搭載可能なXserve RAIDが発表されました。
2007年1月23日: 最大14基の750GB Ultra ATA Apple Drive Moduleで、合計10.5TBの容量を搭載可能なXserve RAIDが発表されました。このモデルでは、コントローラの性能は向上しておらず、初期化に70時間もかかるという課題がありました。同時に、RAID Admin 1.5.1（Firmware 1.5.1）が発表されました。
2007年1月20日: SATA版Xserve RAIDの開発情報が流出しましたが、公式には発表されませんでした。
2008年2月19日: Xserve RAIDの販売が終了しました。

後継モデル

Appleは、Xserve RAIDの後継として、Promise TechnologyのVTrak E-Class RAIDを認定し、推奨しています。この推奨モデルはApple専用版であり、ファームウェアが一般モデルとは異なり、Mac OS X、Mac OS X Server、Xsanに最適化されています。

関連情報

関連項目:
Xserve'>Xserve
Xsan'>Xsan
MacOS'>macOS
MacOS_Server'>macOS Server
外部リンク:
アップル - サポート - Xserve RAID
* Xserve RAID ドライバアップデート 1.0

Xserve RAIDは、その高い信頼性と柔軟性から、様々な環境で活用されたストレージソリューションでした。

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