Y&T

Y&Tは、アメリカ合衆国出身のハードロックバンドで、ヴァン・ヘイレンらと並び、米西海岸におけるアメリカンHR/HMの先駆者として知られています。

バンドの歴史



1972年頃からオークランドで活動を開始し、1974年に「Yesterday & Today」として正式に発足しました。オリジナルメンバーは、デイヴ・メニケッティ(ヴォーカル、リードギター)、ジョーイ・アルヴィス(サイドギター)、フィル・ケネモア(ベース、ヴォーカル)、レオナード・ヘイズ(ドラム)の4人でした。バンド名は、ビートルズのアルバム『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』に由来します。

1976年にアルバム『イエスタデイ&トゥデイ』でデビューし、1978年にはセカンドアルバム『ストラック・ダウン』をリリースしました。1980年にレーベル移籍を機に、バンド名をY&Tに変更。1981年のサードアルバム『アースシェイカー』でハードロックファンに広く認知されるようになりました。

その後、4thアルバム『ブラック・タイガー』(1982年)、5thアルバム『ミーン・ストリーク』(1983年)、6thアルバム『イン・ロック・ウィ・トラスト』(1984年)、7thアルバム『ダウン・フォー・ザ・カウント』(1985年)と、毎年アルバムを発表し、精力的な活動を展開しました。中でも、『イン・ロック・ウィ・トラスト』は、全米46位、全英33位を記録し、45万枚を売り上げるヒット作となりました。

1986年には、レオナード・ヘイズが解雇され、ジミー・デグラッソが加入。1987年にはゲフィン・レコードに移籍し、LAメタルの影響を受けたアルバム『コンテイジャス』をリリースしました。1989年には、ジョーイ・アルヴィスが脱退し、ステフ・バーンズが加入。1990年にアルバム『テン』をリリース後、一旦解散しました。

1990年12月31日のライブ後、バンドは一旦解散しましたが、1995年にデイヴ・メニケッティ、ステフ・バーンズ、フィル・ケネモア、ジミー・デグラッソの4人で再結成。1997年までに2枚のアルバムを発表しましたが、1998年にデグラッソが脱退し、メガデスに加入したため、実質的に再解散状態となりました。

2001年には、オリジナルドラマーのレオナード・ヘイズが復帰し、再々結成。その後、ステフ・バーンズがヒューイ・ルイス&ザ・ニュースに移籍し、ジョン・ナイマンが加入。ヘイズは2006年に再び脱退し、マイク・ヴァンダーヒュールが加入しました。

2010年には、デイヴ・メニケッティ、フィル・ケネモア、ジョン・ナイマン、マイク・ヴァンダーヒュールというラインナップで、13年ぶりの12thアルバム『フェイスメルター』を発表。しかし同年、オリジナルメンバーの1人であるフィル・ケネモアが肺癌と診断されたため、ブラッド・ラングが代役として加入しました。ケネモアは2011年1月7日に57歳で死去し、ラングが正式メンバーに昇格しました。

2016年には、ラングに代わりアーロン・レイが加入。同年9月11日には、オリジナルドラマーのレオナード・ヘイズが肺疾患のため死去。2017年3月には、オリジナルギタリストのジョーイ・アルヴィスが、潰瘍性大腸炎の合併症で死去。これにより、オリジナルメンバーはデイヴ・メニケッティのみとなりました。

使用機材



デイヴ・メニケッティは、デビュー当時からギブソン・レスポール・モデルを愛用しており、1968年製のサンバースト仕様の個体を使用しています。その他、カスタムショップ製のフェンダー・ストラトキャスターやクレイマー社のバレッタなども使用しています。

メンバー



現ラインナップ
デイヴ・メニケッティ (Dave Meniketti) - ボーカル、リードギター (1974年- )
ジョン・ナイマン (John Nymann) - リズムギター (2001年- )
アーロン・レイ (Aaron Leigh) - ベース (2016年- )
マイク・ヴァンダーヒュール (Mike Vanderhule) - ドラム (2006年- )

旧メンバー
フィル・ケネモア (Phil Kennemore) - ベース、ボーカル (1974年-2011年) ※2011年死去
レオナード・ヘイズ (Leonard Haze) - ドラム (1974年-1986年, 2001年-2006年) ※2016年死去
ジョーイ・アルヴィス (Joey Alves) - リズムギター (1974年-1989年) ※2017年死去
ジミー・デグラッソ (Jimmy DeGrasso) - ドラム (1986年-1998年)
ステフ・バーンズ (Stef Burns) - ギター (1989年-2003年)
ブラッド・ラング (Brad Lang) - ベース (2011年-2016年)


ディスコグラフィ



スタジオ・アルバム
『イエスタデイ&トゥデイ』 - Yesterday and Today (1976年) ※イエスタデイ&トゥデイ名義
『ストラック・ダウン』 - Struck Down (1978年) ※イエスタデイ&トゥデイ名義
『アースシェイカー』 - Earthshaker (1981年)
『ブラック・タイガー』 - Black Tiger (1982年)
『ミーン・ストリーク』 - Mean Streak (1983年)
『イン・ロック・ウィ・トラスト』 - In Rock We Trust (1984年)
『ダウン・フォー・ザ・カウント』 - Down for the Count (1985年)
『コンテイジャス』 - Contagious (1987年)
『テン』 - Ten (1990年)
『ミュージカリー・インコレクト』 - Musically Incorrect (1995年)
『インデンジャード・スピーシーズ』 - Endangered Species (1997年)
『フェイスメルター』 - Facemelter (2010年)
Acoustic Classix Vol.1 (2018年) ※EP

ライブ・アルバム
『オープン・ファイアー』 - Open Fire (1985年)
『イエスタデイ・アンド・トゥデイ・ライヴ』 - Yesterday & Today Live (1991年)
『ライヴ・オン・ザ・フライデイ・ロック・ショウ』 - BBC in Concert: Live on the Friday Rock Show (2000年)
Live: One Hot Night (2007年)
『ライヴ・アット・ザ・ミスティック』 - Live at the Mystic (2012年)

コンピレーション・アルバム
『フォーエヴァー/ベスト・オブY&T』 - Forever (1987年)
Anthology (1989年)
『ベスト・オブ・'81トゥ'85』 - Best of '81–'85 (1990年)
Ultimate Collection (2001年)
『アンアースドVOL.1』 - Unearthed Vol 1 (2003年)
『アンアースドVOL.2』 - Unearthed Vol 2 (2004年)
Earthquake The A&M Years 1981-1985 (2013年)

シングル
「アースシェイカー」 - "Earthshaker" (1976年)
「レスキュー・ミー」 - "Rescue Me" (1981年)
「フォーエヴァー」 - "Forever" (1982年)
"Mean Streak" (1983年)
「ミッドナイト・イン・TOKYO」 - "Midnight In Tokyo" (1983年)
「ドント・ストップ・ランニン」 - "Don't Stop Runnin'" (1984年)
「サマータイム・ガール」 - "Summertime Girls (studio version)" (1985年)
「オール・アメリカン・ボーイ」 - "All American Boy" (1985年)
「コンテイジャス」 - "Contagious" (1987年)

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。