ギブソン・レスポール

レスポール・モデル（Les Paul Model）

レスポールは、ギブソン社が1952年から製造しているエレクトリック・[[ギター]]で、エレキギターを代表するモデルの一つとして名高い存在です。このモデルは、アメリカの著名なギタリストであるレス・ポールとの共同開発により誕生しました。「レス・ポール」という名称は、日本では正式に用いられており、輸入代理店もこの呼称を採用しています。現在、レスポールはギブソンの登録商標であり、エピフォンの楽器もこの名称で販売されていますが、同型のコピー商品も多く流通しています。

概要

レスポールは、ギブソン社初のソリッドボディ・ギターであり、そのデザインはレス・ポールのアイデアを基にしています。代表的なモデルには、「スタンダード」や「カスタム」があり、他にも「スペシャル」「ジュニア」「デラックス」「スタジオ」、さらには「クラシック」など、様々なバリエーションが展開されています。

レスポールの基本デザインは、シングル・カッタウェイのアーチドトップ・ボディで構成され、フロントとリアにピックアップが配置されています。ネックはセットネックで、ボリュームとトーンのコントロールも各ピックアップに用意されています。

ピックアップとブリッジ

初期のレスポールにはシングルコイルのP-90タイプが搭載されていましたが、1957年以降はセス・ラヴァー設計のハムバッカーが使用されるようになりました。このP.A.F.ピックアップはノイズキャンセリングの役割を果たし、音質に大きく寄与する存在です。また、レスポールのブリッジは、トラピーズ・ブリッジ、ストップ・テイルピース、チューン・O・マチックなど、数種類が存在し、各モデルによって異なった機構が採用されています。

木材と構造

レスポールのボディ構造は、バックにマホガニー、トップにハード・ロック・メイプルが用いられており、その厚みはサステイン（音の持続性）のために最適化されています。ネックは通常マホガニーのワンピースが主流ですが、特定モデルや年式によってはメイプルネックの選択肢もあります。

また、杢目が美しいメイプル材が使用されていることも特徴であり、特にブックマッチやフリッチマッチなどの技術が施された個体は、コレクターに非常に高く評価されます。

レスポールの歴史と進化

レスポールは初登場以来、多くの歴史的な変遷を経てきました。1958年から1960年までのサンバースト・モデルは、エレキギターの中で最も価値のあるものとして、数千万円で取引されています。当初はそのサウンドのパワーや重量がネックとなり、一般的な人気を得ることはありませんでしたが、その後のロックシーンで評価が高まりました。

1960年代には、レスポールに代わりSGモデルが登場し、軽量なデザインが評価される一方で、レスポールはジミー・ペイジやエリック・クラプトンといった著名なギタリストたちの使用により再評価されました。

1980年代には、スラッシュやザック・ワイルドなどがレスポールを愛用し、現代ギタリストにも広く支持されています。最近では、カスタムショップでの高級モデルや、デジタル技術を搭載したモデルも登場し、さらに多様な選択肢が用意されています。

取り扱いとコピー・モデル

レスポールの木材は、湿度や温度に影響を受けやすく、経年劣化が進むことがあります。そのため、適切にメンテナンスを行うことが重要です。また、様々なメーカーからコピー・モデルが製造されており、日本国内の「ジャパン・ヴィンテージ」などは特に高額で取引されています。このように、レスポールはその音質とデザイン、歴史的背景を通じて、変わらぬ人気を誇ることができるギターの一つとなっています。

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