YBSホールディングス硬式野球部

YBSホールディングス硬式野球部

兵庫県赤穂市を新たな本拠地とするYBSホールディングス硬式野球部は、日本野球連盟に所属する社会人野球の企業チームです。その歴史は、1996年に加古郡播磨町で「全播磨硬式野球団」として産声を上げたことに遡ります。当時は兵庫県内で初の硬式野球クラブチームとして設立されました。後にチーム名を「YBS播磨」と改称し、長らくクラブチームとして活動を続けました。

創設当初、チームはなかなか勝利を手にすることができず、苦戦を強いられていました。しかし、地道な努力と、近年における他チームからの移籍選手の受け入れなどによる戦力強化が実を結び始めます。公式戦では企業チームを破る金星を挙げるなど、着実に実力を伸ばしていきました。また、都市対抗野球大会にチームから補強選手を送り出すなど、選手個々のレベルアップも図られています。

クラブチームとして活動していた期間には、主要な大会でも実績を残しています。2003年には全日本クラブ野球選手権大会に初出場を果たし、チームの歴史に刻む初勝利を挙げました（惜しくも2回戦で敗退）。その他、ナショナルクラブベースボールシリーズには2回出場しています。特に、JABA高砂市長杯争奪大会では2004年に、JABAびわこ杯争奪社会人クラブ野球大会では2001年にそれぞれ優勝しており、クラブ野球界において確かな足跡を残しました。

チームは地域への貢献活動にも積極的でした。社会人チームだけでなく、「全播磨硬式野球団ヤング」としてヤングリーグに加盟する少年野球チームを併設し、若い世代への野球指導にも力を入れていました。2021年時点では、兵庫県内に存在するクラブチームの中で最も長い歴史を持つチームでもありました。

大きな転換期を迎えたのは、2024年です。2023年末をもってYBS播磨としてのクラブ登録での活動を終え、2024年度からはチーム名をYBSホールディングスに改めるとともに、クラブチームから企業チームへと登録種別を変更しました。これに伴い、本拠地も加古郡播磨町から赤穂市へと移転しました。赤穂市とは連携協定を締結しており、地域に根差した活動を一層推進していく方針です（なお、練習拠点としては前年夏から赤穂市を利用していました）。

チームには、プロ野球でのプレー経験を持つ人材も関わっています。元阪神タイガースの赤松一朗氏は監督を務めた後、現在は部長としてチームを支えています。過去には元大阪近鉄バファローズの北川公一氏や元読売ジャイアンツの福泉敬大氏がコーチや選手として所属していました。また、2025年からは元読売ジャイアンツの内野手である加藤廉氏が選手として加入する予定であり、プロ経験者の技術や経験がチームの強化に貢献しています。

創設者の大村節二氏が元球団オーナーを務めるなど、多くの人々の情熱によって支えられてきた当チームは、企業チームとしての新たなステージに進み、赤穂市を拠点として更なる高みを目指しています。今後の活躍が期待されるチームです。

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