YF-24 エボリューション

YF-24 エボリューションは、テレビアニメ『マクロスF』に登場する架空の可変戦闘機です。メカニックデザインは河森正治氏が手掛け、実在の戦闘機であるF-14 トムキャット、Su-27 フランカー、F-22 ラプターをモチーフにしています。

機体概要

2039年、次期主力戦闘機開発計画「プロジェクト・スーパーノヴァ」において、VF-19シリーズやVF-22シリーズを超える性能を持つ可変戦闘機として開発されました。当時、新統合軍は無人戦闘機ゴーストAIF-7Sをもってしても勝利できない敵性勢力との接触を懸念しており、ゴーストとVF-171 ナイトメアプラスとの連携運用が常態化している状況に危機感を抱いていました。そこで、新星インダストリー社の技術者とエデン軍のパイロットたちが中心となり、YF-24の開発が進められました。

新統合軍も開発には関与したものの、非協力的だったと言われています。その理由は、有人機ではVF-19やVF-22以上の性能を発揮することが難しく、また、高性能な新型機が新統合政府や軍への反逆に使用される可能性を懸念したためです。過去には、シャロン・アップル事件やエイジス・フォッカーによる反逆事件が発生しており、新統合政府・軍はこれらの事態を重く見ていました。

しかし、新星インダストリー社やエデン軍パイロット、そして軍需産業保護の観点からの支援者の強い要望により、開発は認可されます。完成後、YF-24の設計図は新統合軍総司令部の許可を得て、一部の移民船団や惑星に提供されました。これは、2048年にバジュラの存在が確認され、VF-171やゴーストでは対抗が難しいと判断されたため、各船団での新型機開発を促すためでした。

こうして、YF-24の設計図を基に、マクロス・フロンティア船団のYF-25、マクロス・オリンピア船団のYF-26、マクロス・ギャラクシー船団のYF-27といった新型可変戦闘機開発計画、通称「トライアングル計画」が開始されました。YF-26は後に開発が中止され、YF-25に統合。フロンティアではVF-25 メサイア、ギャラクシーではVF-27 ルシファーが実用化されました。さらに、フロンティアとS.M.S.では、VF-25とは異なる系統のYF-29 デュランダル、YF-30 クロノスが開発され、YF-30は後にVF-31 カイロスとして正式採用されています。

新技術

YF-24には、ISC（慣性蓄積コンバーター）やEXギアシステムといった新技術が試験的に導入されました。これらの技術は、既存機に搭載するよりも新機体開発と並行して行う方が、軍需産業の保護やバジュラ対策に繋がると判断されたためです。

ISC (Inertia Store Converter)

ISCは、高機動時にかかる慣性負荷をフォールド空間に一時的に蓄積し、少量ずつ通常空間に還元するシステムです。これにより、パイロットは瞬間的な慣性負荷から保護され、YF-24では最大27.5Gまで耐えることができます。ISCはYF-24で実用化され、以降の機体にも搭載されています。

VF-25やVF-27のISCは、YF-24のISCを基に各船団で独自開発されたもので、性能はフォールド・クォーツの質と量に比例します。特に、YF-29のISCは、バジュラとの交戦で大量のクォーツを入手できたため、姉妹機よりも突出した性能を発揮します。

EXギアシステム

EXギアシステムは、パイロットが装備する飛行能力を持ったパワードスーツの一種で、機体の操縦装置と脱出装置を兼ねています。

バリエーション

YF-24 1号機: マクロス・バトル13に配備され、アグレッサー機として運用。
YF-24 2号機: 惑星メサイアで試験後、廃棄。
YF-24 3号機: 惑星エデンに配備され、限界性能試験後に整備保管。小説版では、2059年のバジュラ迎撃に使用。

イサム・ダイソン少佐がYF-24の限界性能試験に搭乗したという記録があり、2057年のテストではVF-19シリーズとVF-22シリーズ合わせて24機を撃墜、その後60隻の宇宙艦隊と500機以上の艦載機を相手にした演習で大型空母を撃墜したとされています。ただし、この結果はYF-24の性能だけでなく、無人機の台頭やパイロットの実戦経験不足による技術低下も影響していると評価されています。

VF-24: 模型誌『月刊モデルグラフィックス』に掲載されたVF-25量産第一号機の右主翼に描かれた機体。YF-24の量産型と推測され、初飛行は2055年とされていますが、公式設定ではありません。

備考

テレビ版『マクロスF』第15話に、ファイターモードの2面図が登場します。また、ゲーム『マクロスアルティメットフロンティア』の特典映像では、河森正治氏がVF-25の試作模型について説明する際に、YF-24に近い翼形状であったことが語られています。

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