YMO ベスト・セレクション

『決定版 YMO ベスト・セレクション』

『決定版 YMO ベスト・セレクション』は、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の2枚目のベストアルバムで、1982年10月21日にアルファレコードからカセットテープ形式でリリースされました。この作品は、YMOのヒット曲やリズム感あふれるトラックを集めたもので、特に初期と中期のアルバムからの楽曲が選ばれています。

初めてのベスト盤としては1970年代末から1980年代初頭にかけてリリースされた『BEST ONE イエロー・マジック・オーケストラ』（1980年）や『BEST ONE Y.M.O.ファミリー』（1981年）、そして『BEST ONE'82 YMO大全集』（1981年）がありますが、これらはその後再リリースされることがなく、いずれも廃盤となりました。『決定版 YMO ベスト・セレクション』は1986年にCD化され、その後もシリーズとして再評価される機会がありましたが、1990年には再び廃盤となっています。

背景とリリースの経緯

アルバム『テクノデリック』が1981年にリリースされた際、細野晴臣がプロデューサーを務めたチャクラのアルバム『さてこそ』も同時に発売されました。この頃、YMOは「ウィンター・ライヴ1981」というタイトルのコンサートツアーを実施し、日本国内の9つの都市で全13公演を行いました。コンサート中、坂本龍一がプロデュースしたシングル「コンピューターおばあちゃん」がリリースされ、NHKの教育音楽番組『みんなのうた』に使用されるなど、多くの話題を呼びました。

1982年に入ると、YMOはさまざまなプロジェクトに携わり、特に坂本龍一は映画『戦場のメリークリスマス』の撮影に参加するなど、国際的な活動を展開しました。また、この年には高橋幸宏のソロアルバム『NEUROMANTIC』がイギリスでリリースされるなど、メンバーそれぞれが個々のキャリアを築くことにも注力しました。

楽曲構成と特徴

本アルバムには、以下のYMOのアルバムからの楽曲が収録されています。

• - 『イエロー・マジック・オーケストラ』（1978年）: 「コズミック・サーフィン」、「東風」
• - 『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』（1979年）: 「ライディーン」、「ビハインド・ザ・マスク」、「テクノポリス」、「デイ・トリッパー」
• - 『増殖』（1980年）: 「ナイス・エイジ」
• - 『BGM』（1981年）: 「千のナイフ」、「U.T」、「キュー」
• - 『テクノデリック』（1981年）: 「体操」、「KEY／手掛かり」、「京城音楽」

特に「NICE AGE」はこのアルバムではフェードアウト式で終了しますが、同シリーズ内の『決定版 YMOファミリー ベスト・セレクション』では異なる処理が施されています。

リリースと評価

『決定版 YMO ベスト・セレクション』は1982年10月21日にリリースされた際、同日には坂本龍一や高橋幸宏のベストアルバムも同時に発売されました。1986年には初のCD版が登場し、1990年9月には販売価格を改定して再リリースされましたが、いずれも廃盤となる運命を辿りました。

YMOはエレクトロニック音楽の先駆者として、多くのアーティストに影響を与え続けており、『決定版 YMO ベスト・セレクション』もその一部として重要な作品として記憶されています。このアルバムを通じて多くのファンがYMOの音楽に触れ、以来幾年も愛され続けている名盤となっているのです。

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