YOKOHAMA Twilight Time

YOKOHAMA Twilight Time：角松敏生のデビューシングル

1981年6月21日、日本の音楽シーンに新たな才能が誕生しました。シンガーソングライター、角松敏生。彼のデビューシングル「YOKOHAMA Twilight Time」は、そのキャリアの幕開けを告げる重要な作品です。

この楽曲は、同日にリリースされた角松敏生のファーストアルバム『SEA BREEZE』にも収録されています。デビューシングルとして、アルバムからの先行シングルという位置づけで発表されました。この戦略は、アルバム全体の知名度向上にも大きく貢献したと言えるでしょう。

しかし、「YOKOHAMA Twilight Time」は、その後も幾度となく新たなアレンジで蘇ることになります。1987年リリースのベストアルバム『1981-1987』では、ボーカルとバックトラックの一部が差し替えられたリテイクバージョンが収録されました。さらに、2001年にはデビュー20周年を記念したシングル「心配/YOKOHAMA Twilight Time」が発売され、当時のミュージシャンと共に再録音された「20th Anniversary Version」が収録。セルフアレンジによる完全リテイクは、角松敏生の音楽的成長を如実に示しています。

カップリング曲「Summer Moments」は、アルバム『SEA BREEZE』には収録されていませんでした。しかし、この楽曲もまた、『1981-1987』でリテイクバージョンが収録されています。角松敏生自身は、この頃の歌詞について「稚拙で笑える部分もあるが、逆に新鮮でもある」とコメントしており、初期作品ならではの瑞々しさを感じさせるエピソードです。

シングルジャケットは、神奈川県葉山町にある洋菓子店「パティスリー・ラ・マーレ・ド・チャヤ」のオープンテラスで撮影されました。この写真は、アルバム『SEA BREEZE』のジャケットにも使用されており、デビュー当時からのイメージを強く印象付けています。また、同時期に制作されたプロモーションシングル「Still I'm In Love With You/Dancing Shower」にも別のカットが使用されています。そして、20年後の2001年に発売された「心配/YOKOHAMA Twilight Time」シングルでは、同じ場所で撮影された新たな写真がジャケットに使用され、時の流れを感じさせる演出となっています。

ジャケットの裏面には、両曲の歌詞に加え、アルバム『SEA BREEZE』の発売告知が記載されていました。これは、当時の音楽プロモーションにおける、戦略的な情報提供の一例と言えるでしょう。

楽曲のクレジットは以下の通りです。

YOKOHAMA Twilight Time：作詞・作曲：角松敏生、編曲：志熊研三
Summer Moments：作詞・作曲：角松敏生、編曲：松原正樹

担当ディレクターは、岡村右氏でした。これらのスタッフの貢献も、デビューシングルの成功に大きく関わっています。

「YOKOHAMA Twilight Time」は、単なるデビューシングルとしてだけでなく、角松敏生の音楽的進化、そして彼のキャリア全体を象徴する作品として、長く音楽ファンに愛され続けています。その音楽的価値、そして時代背景を含めて、この楽曲は日本の音楽史に刻まれた重要な一曲と言えるでしょう。

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