YOUNG GUITAR

YOUNG GUITAR：日本の音楽シーンを彩るギター専門誌

1968年、シンコー・ミュージック・エンタテイメントの前身である新興音楽出版社より創刊された『YOUNG GUITAR』は、日本の音楽史において重要な役割を果たしてきた音楽雑誌です。当初はフォーク音楽専門誌としてスタートしましたが、時代とともにその内容は大きく変化し、現在の地位を築きました。

創刊からフォーク時代へ

1969年5月号の創刊号から、日本のフォークソングシーンを記録する役割を担っていました。多くのフォークアーティストや楽曲を紹介し、当時の音楽シーンを反映した内容が特徴でした。しかし、時代は移り変わり、音楽のトレンドも変化していきます。

ハードロック、ヘヴィメタル時代へ

1970年代半ばに入ると、フォークソングに加え、国内外のハードロックやフュージョン音楽も取り上げるようになりました。そして1970年代後半、ヴァン・ヘイレンのデビューアルバム『炎の導火線』が、編集長の山本隆士氏に衝撃を与えました。この経験から、山本氏は1980年代以降はヘヴィメタルが主流になると確信し、雑誌の方針をヘヴィメタル、そして技巧派ギタリストを中心とした内容へと転換しました。

この転換は大きな成功を収め、『YOUNG GUITAR』は日本のヘヴィメタルシーンを牽引する存在となりました。1982年にはLOUDNESSやEARTHSHAKERといった国内のヘヴィメタルバンドが出演した「JAPAN HEAVY METAL FESTIVAL」を主催するなど、積極的なイベント開催にも力を入れていました。このフェスティバルは1985年まで続き、聖飢魔II、ANTHEM、FLATBACKERといった多くのアーティストが出演し、日本のヘヴィメタルシーンの発展に貢献しました。

ギター専門誌としての確立

1980年代から1990年代後半にかけては、国内外の著名なギタリストの手形を掲載するなど、コレクターアイテムとしても人気を博しました。また、この時代は、多くのギタリストを特集し、演奏技術や機材に関する詳細な情報、インタビュー記事などを掲載することで、日本のギター文化の醸成に貢献しました。

1990年代中期には、初代編集長の山本氏が設立したワイ・ジー・ファクトリーが発行元となりましたが、その後、シンコー・ミュージックに戻っています。

付録とデジタル化への対応

1999年1月号からはCD、2002年1月号からはDVDが付録として付いてくるようになり、有名ギタリストの演奏動画などを収録したDVDは大きな話題となりました。しかし、時代の流れと共に、2017年1月号でDVD付録は終了し、ミュージック・カードによるダウンロード配信、そして現在はYouTube公式チャンネルによる配信へと移行するなど、デジタル化への対応も積極的に行っています。

豊富な連載陣

『YOUNG GUITAR』は数多くの連載記事を掲載することで知られています。森田純一氏による「モリジュンの音の細道遊行記」、ウイリアム・ヘイムス氏による「L.A.通信 What's going on」、そしてe-ZUKA(GRANRODEO)氏、SAKI(Mary's Blood、NEMOPHILA)氏、ROLLY氏など、多くの著名なミュージシャンやライターが寄稿し、雑誌の魅力を高めています。

現在

現在も『YOUNG GUITAR』は、日本の音楽シーン、特にギター関連の情報発信源として、その地位を確固たるものとしています。公式ウェブサイト、YouTubeチャンネル、SNSなど、多様な媒体を活用し、情報を発信し続けています。創刊から半世紀以上に渡り、音楽シーンの変化に対応しながらも、独自のスタイルを貫き、日本の音楽文化に貢献し続ける『YOUNG GUITAR』の今後の動向にも注目が集まります。

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