Yahoo!モバゲー

Yahoo!モバゲー：PC時代のソーシャルゲームプラットフォーム

Yahoo!モバゲーは、ヤフー株式会社と株式会社ディー・エヌ・エー（DeNA）が共同で運営していたパソコン向けのソーシャルゲームポータルサイト、およびソーシャルネットワーキングサービスでした。DeNAが提供していた携帯電話向けサービス「モバゲータウン」（後のMobage）をPC向けに拡張したサービスとして、2010年9月21日にβ版、同年10月7日に正式版がリリースされました。

当時、海外ではPCユーザーがソーシャルゲーム市場を牽引しており、日本においてもPC向けソーシャルゲームの成長が見込まれていたことから、両社は提携によるサービス展開に踏み切りました。Yahoo!モバゲーは、Yahoo! JAPANのサイト内に設置され、多くのユーザーを獲得し、一大ソーシャルゲームプラットフォームとしての地位を確立しました。

サービス開始と初期の成長

サービス開始当初は、Yahoo! JAPANのユーザーIDが必要でした。ユーザーはIDとパスワードの入力後、携帯電話のメールアドレス登録（一部キャリア除く）またはクレジットカード情報の登録によって認証を行い、サービスを利用できるようになりました。携帯電話版Mobageユーザーも、Yahoo! JAPANのIDとMobageの認証情報を使ってアクセス可能でした。

提供されていたコンテンツは、Mobageの機能を一部PC向けに最適化したものとなっていました。携帯電話版のゲームは基本的に利用できませんでしたが、PC版専用ゲームの提供や、一部ゲームでの携帯電話版とのデータ共有に対応していました。

サービス開始からわずか数ヶ月で、Yahoo!モバゲーは急速な成長を遂げました。2010年11月には利用者数100万人を突破、翌2011年3月には300万人を突破するなど、その人気は爆発的なものとなりました。2011年3月には、モバゲータウンの名称が「Mobage」に変更されたことに伴い、サービス名も「Yahoo!Mobage」に変更されました。

多様なゲームコンテンツ

Yahoo!モバゲーでは、数多くのソーシャルゲームが提供されました。そのジャンルは多岐に渡り、ロールプレイングゲーム（RPG）、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、カードゲーム、恋愛シミュレーションゲームなど、幅広いユーザーの嗜好に対応するラインナップが用意されていました。

特に人気を集めたタイトルとしては、DeNAの看板ゲームである『怪盗ロワイヤル』のPC版『怪盗ロワイヤル-zero-』や、『ブラウザ三国志』、『100万人の信長の野望』などがあります。また、Yahoo!ゲームから引き継がれた定番ゲームも、リニューアルされて提供されました。

コミュニティ機能

ゲーム以外にも、日記、伝言板、サークル、アバター機能など、ユーザー同士のコミュニケーションを促進する様々な機能が提供されました。これらは、ユーザー同士の交流を深め、Yahoo!モバゲーのコミュニティ形成に大きく貢献しました。

障害とイベント

サービス運用中には、大規模なシステム障害が発生したこともありました。2011年8月には、大規模な障害が発生し、多くのユーザーに影響が出ました。しかし、運営側による迅速な対応により、サービスは早期に復旧しました。

サービス開始を記念して、2010年10月7日には、イメージキャラクターを務めた西城秀樹氏が出演するライブイベント『Y+M LIVE』が開催されました。

サービス終了

Yahoo!モバゲーは、2020年12月1日にサービスを終了しました。長年に渡り多くのユーザーに愛されてきたサービスの終了は、多くのユーザーに惜しまれつつ幕を閉じました。PC時代におけるソーシャルゲーム黎明期を支えたYahoo!モバゲーは、日本のソーシャルゲームの歴史に大きな足跡を残しました。

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