Z5型駆逐艦

Z5型駆逐艦（1934A型駆逐艦）

Z5型駆逐艦、正式には1934A型駆逐艦（Zerstörer 1934A）は、ドイツ海軍が1930年代後半に建造した駆逐艦です。1937年から1938年にかけて12隻が就役しました。この艦級は、ヴェルサイユ条約によって制約されていたドイツ海軍が、制限を回避しつつ水上戦力の増強を図る中で誕生しました。

開発の背景

第一次世界大戦後、ドイツはヴェルサイユ条約によって、基準排水量800トンを超える駆逐艦の建造と保有を禁止されていました。そのため、1920年代にはメーヴェ型やヴォルフ型といった小型の駆逐艦を制限ぎりぎりで建造していました。しかし、1933年からの海軍増強計画において、大型駆逐艦の建造が決定されました。

最初に建造されたのはZ1型駆逐艦でしたが、機関の振動などの問題から、期待された性能を発揮することができませんでした。そこで、Z1型の反省を踏まえ、改良型としてZ5型が建造されることになりました。

設計と特徴

Z5型は、基本的にはZ1型の設計を踏襲していますが、凌波性を向上させるために、船首楼が若干高く設計されています。Z5からZ8までの4隻は、Z1型と同じ機関を搭載していますが、Z9以降の艦は、より高温・高圧のボイラーに変更されたため、最高速度と排水量が若干増加しました。

第二次世界大戦での活躍

Z5型駆逐艦は、全艦が第二次世界大戦に参加し、多くの海戦で活躍しました。しかし、大戦中に7隻が失われるという大きな損害も被っています。大戦を生き残った5隻は、戦後連合国側に引き渡されました。中でも、ソ連に引き渡されたZ15は、1958年まで使用され続けました。

また、大戦中盤まで残存していた艦には、レーダーの装備や対空兵装の強化などの近代化改装が施されました。

同型艦

Z5
Z6
Z7
Z8
Z9
Z10
Z11
Z12
Z13
Z14
Z15
Z16

関連項目

ドイツ海軍艦艇一覧

外部リンク

german-navy/de - Zerstörer 1934A

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