ZIPANG (HYDEの曲)

シングル「ZIPANG」の概要

「ZIPANG」は、日本のロックシーンにおいて長いキャリアを持つボーカリスト・HYDEの11作目のシングルであり、2019年の2月6日にリリースされました。このシングルは、彼の前作「FAKE DIVINE」から約3ヶ月のブランクを経て登場したもので、特筆すべきはタイアップ楽曲を含まない、オリジナルのシングルである点です。

表題曲「ZIPANG」の魅力

本作のメインとなる曲「ZIPANG」は、古い日本の美しさを感じさせるバラードです。HYDEはこの曲に古語を取り入れ、日本独自の旋律を表現するとともに、彼自身のアイデンティティをしっかりと反映させました。「面白くない曲が続くのは良くない」とHYDEが語るように、アッパーな楽曲が続く中、この曲を制作することで、聴く者に新たな体験を提供しようとしました。

この楽曲は、HYDEの4thアルバム『ANTI』に収録されており、アルバムの中盤での緩急を強調するために制作されたとのことです。また、HYDEの記憶に残る京都訪問が仮タイトル「KYOTO」を付けるきっかけとなりました。制作にはニコラス・ファーロンが共同プロデューサーとして参加し、曲の深みを増す役割を果たしました。

YOSHIKIとのコラボレーション

興味深いのは、HYDEとYOSHIKIの共演です。YOSHIKIはこの曲でピアノを演奏しており、もともとHYDEの単独名義でリリースされる予定でしたが、正式な発表の際には「HYDE feat. YOSHIKI」というアーティスト名義に変更されました。この二人のコラボレーションは、2018年にリリースされた「Red Swan」以来の再共演となります。

ミュージックビデオとライブパフォーマンス

「ZIPANG」のミュージックビデオは、世界遺産に登録されている京都の東寺で撮影されたもので、美しい映像美とともにHYDEの魅力を引き出しています。映像にはHYDEの衣装や、月光菩薩や日光菩薩のイメージをデザインした冠が特徴的です。映像監督には石橋義正が起用されており、YOSHIKIもゲストとして登場しています。

また、この曲は2021年に京都の平安神宮で行われたオーケストラコンサートでも披露され、雅楽の音色を加えた特別バージョンが演奏されました。この特別なバージョンは、15thシングル「NOSTALGIC」のカップリングとしてもリリースされています。

特別盤とカバー曲

「ZIPANG」は、初回生産限定盤のA（CD＋コンセプトブック）やB（CD＋DVD）、通常盤（CD）の3形態でリリースされました。初回盤Aには撮り下ろし写真集が、盤Bにはミュージックビデオやドキュメンタリー映像が収められています。

さらに、カップリングとしてHYDEがデュラン・デュランの「オーディナリー・ワールド」をカバーしています。この曲はデュラン・デュランの名作であり、HYDE自身もこの楽曲のリリースを通じて新たなスタートを切る気持ちを表現しています。このように、HYDEの「ZIPANG」は、彼の音楽的な深さと日本の文化を照らし合わせる重要な作品となっています。

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