ZOIDS妄想戦記

『ZOIDS妄想戦記』は、トミー（現タカラトミー）が展開する『ゾイド』シリーズのウェブコミックとして、ゾイド公式サイトで公開されていました。現在は公開を終了しています。

概要

ゾイドシリーズのメインストーリーである『バトルストーリー』は、惑星Ziにおける共和国軍と帝国軍の戦いをジオラマ写真で展開していますが、『妄想戦記』はその外伝として、戦争の片隅で起きた小さなエピソードを描いています。本編との整合性が定かではない部分もありますが、数多くのバリエーション機体が登場し、人気を博しました。

特に人気を博したのが、共和国軍のバックス准尉と帝国軍のマヤ大佐の戦いを描いた『バックスvsマヤ編』です。2001年から毎月1話ずつ、全6話がAdobe Flash形式で連載され、アニメのような演出が楽しめました。その後、PS2版ゾイドインフィニティの公式サイトでも再掲載されましたが、現在はサイトが閉鎖されています。

『バックスvsマヤ編』の後も、1話完結形式の『ZOIDS妄想戦記』が第4話まで連載され、中断期間を経て『ZOIDS妄想戦記2』として第1話から第5話まで連載されました。また、ヘビーアームズケーニッヒウルフには、付録として『ZOIDS妄想戦記特別編』を収録したDVDが同梱されました。

作中に登場した改造機やバリエーション機体は、ハピネットから限定発売されました。既存ゾイドのバリエーションであるため、コミックでのデザインやギミックを完全再現したものではありませんでしたが、開田裕治によるパッケージアートや、当時希少だったカスタマイズパーツがセットになっており、従来の通常キットよりも若干割高な価格設定でした。

『バックスvsマヤ編』を除き、1話完結のエピソードであるため、シリーズを通しての主人公は明確には設定されていません。しかし、『バックスvsマヤ編』のヒロインであるセリカは、『ZOIDS妄想戦記特別編』まで複数回登場し、公式サイトや他のゾイドゲームでもナビゲーター役などで活躍しています。セリカのデザインは、イラストレーターのたにめそが担当しましたが、フィギュア化にあたってプロモデラーの佐藤好人によりアレンジが加えられ、それを元にアニメ版ゾイドのデザイナーであった坂崎忠がリデザインしています。

シリーズ一覧

バックスvsマヤ編: 全6話と予告編（ZWC-01〜07）
ZOIDS妄想戦記:
地を這う獅子（ZWC-08）
魔装竜の天麩羅（ZWC-09）
モルガチキンレース（ZWC-10）
水雷竜王（ZWC-11）
ZOIDS妄想戦記2:
濃緑の盾（ZWC-12）
幻惑の雪山（ZWC-13）
双子の魔女（ZWC-14）
親子ゲーム（ZWC-15）
紅の未来・黒き過去（ZWC-16）
ZOIDS妄想戦記特別編

その他

「ZOIDS妄想ファイル」と題するオリジナルゾイドが公開されており、大型砲を背負った「Z.M.F-001ゴジュラスギガ」と「Z.M.F-002 クアッドライガー」が掲載されていました。

キャノニアーゴルドス、サラマンダーボンヴァーン、シャドーアームリザード、ファイアーフォックス、セントゲイル、デススティンガーZSに関するキャラクターにはウェブコミックは無く、タイトルのナンバリングはキットの説明文から引用。

主な登場人物

ヘリック共和国

セリカ・ルークラフト: 『バックスvsマヤ編』で初登場したヘリック共和国軍の女性士官。階級は陸軍少尉ですが、特務に応じて階級を使い分ける謎の多い人物です。
バックス・スラスト: 『ZOIDS妄想戦記特別編』および『ZOIDS妄想戦記2 第2話「幻惑の雪山」』に登場した共和国軍准尉。かつてはブレードライガーを愛機としていましたが、損失してしまったため以後はケーニッヒウルフを乗機としています。
エリス: 『ZOIDS妄想戦記第1話「地を這う獅子」』と『ZOIDS妄想戦記2 第2話「幻惑の雪山」』、『ZOIDS妄想戦記特別編』に登場した共和国高速部隊所属の女性士官。考え事をする時に逆立ちをする癖があります。
スコット: 『ZOIDS妄想戦記第1話「地を這う獅子」』に登場した共和国軍少尉。エリスの部下としてニカイドス島の共和国基地を守っていました。
ギルバート: 『ZOIDS妄想戦記第4話「水雷竜王」』と『ZOIDS妄想戦記特別編』に登場した共和国海軍少佐。ゴジュラスギガの護送任務中に帝国軍の襲撃を受けます。
ハヤミ: 『ZOIDS妄想戦記第4話「水雷竜王」』と『ZOIDS妄想戦記特別編』に登場した共和国海軍大尉。ギルバート少佐の部下としてゴジュラスマリナーに搭乗し、護衛任務に就きます。
ダスティン: 『ZOIDS妄想戦記2 第1話「濃緑の盾」』に登場した共和国ゲリラ部隊の潜入特殊工作隊員。帝国軍陣地に潜入し、グリーンホーンを奪取します。
シャーリー: 『ZOIDS妄想戦記2 第1話「濃緑の盾」』に登場した共和国ゲリラ部隊の潜入特殊工作隊員。ダスティンと共にグリーンホーンを奪取し、操縦を担当します。
ピーター・アイソップ: 『ZOIDS妄想戦記2 第4話「父子ゲーム」』に登場した共和国陸軍大尉。高速戦闘部隊「ミラージュ高速隊」所属のエースパイロットですが、女好きで喧嘩っ早い性格です。
コーネル: 『ZOIDS妄想戦記2 第4話「父子ゲーム」』に登場した共和国陸軍大尉。ピーターと同じく「ミラージュ高速隊」に所属しています。
バスター・アイソップ: 『ZOIDS妄想戦記2 第4話「父子ゲーム」』および『ZOIDS妄想戦記 STORY09「蒼い救世主」』に登場した共和国陸軍少尉。ピーター・アイソップの父親で、射撃の名手です。
ゴゴ・サティ: 『ZOIDS妄想戦記 STORY11「漢の美学」』に登場した共和国軍人。ゴジュラスキャノンの使い手であり、サラマンダーにも搭載して活躍しました。
アキ・イスルギ／ヒロ・イスルギ: 『ZOIDS妄想戦記 STORY14「特殊任務」』に登場した共和国の隠密部隊のリーダーとして活躍してきたイスルギ家出身の兄弟。ブロックスゾイド・シャドーアームリザードを駆ります。

ガイロス帝国

ヤース・ノグチ: 『ZOIDS妄想戦記第3話「モルガチキンレース」』と『ZOIDS妄想戦記2 第2話「幻惑の雪山」』に登場したモルガで構成されたガイロス帝国の輸送部隊のエース。
マヤ・ベルケット: 『ZOIDS妄想戦記第3話「モルガチキンレース」』、『ZOIDS妄想戦記特別編』に登場したガイロス帝国所属の大佐。性別不明で、キメラブロックスコアの搬送を命じます。
ハインケル・サーベラー: 『ZOIDS妄想戦記2 第5話「紅の未来黒の過去」』に登場したガイロス帝国軍中佐。「黒騎士」の称号を持ち、レイヴェンラプターを操る老練の兵士です。

ネオゼネバス帝国

アダムス: 『ZOIDS妄想戦記第2話「魔装竜の天麩羅」』に登場。階級は大尉で周りから「じゃじゃ馬馴らし」と呼ばれています。細かい書類を見ない癖があるため、配属時に要望とは違うジェノブレイカーを割り当てられるハメになりました。
カール・ウェンザー: 『ZOIDS妄想戦記2 第5話「紅の未来黒の過去」』に登場したネオゼネバス帝国軍少佐。「紅の疾風」と呼ばれ、深紅色のシュトゥルムテュランを愛機とします。
エンジェル・ヒキタ/ミッシェル・ガンティ: 『ZOIDS妄想戦記 STORY10「紅い悪魔」』に登場した帝国軍の諜報部レッドイリュージョン部隊の隊長。共和国で開発されたファイアーフォックスを奪取し、愛機としています。
バーン・ウィンザー: 『ZOIDS妄想戦記 STORY12「ドラゴン討伐」』に登場した「騎士」の称号を持つネオゼネバス帝国軍の将校。セントゲイルを駆ります。

その他

ユン: 『ZOIDS妄想戦記2 第2話「幻惑の雪山」』に登場したアイアンコングイエティと行動を共にする少女。ゼネバスの仮面を持っています。
アイダベル／フローラベル: 『ZOIDS妄想戦記2 第3話「双子の魔女」』に登場した現地少数民族の末裔双子の姉妹。ジェノブレイカージェットを駆ってゲリラ戦を仕掛けます。
ザルカ: 『ZOIDS妄想戦記 STORY13「呪われた島」』に登場した旧ゼネバスの科学者。ニカイドス島でゾイドの強化改造の研究に勤しんでいます。

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