Zenodo

Zenodoは、科学研究データの共有と保存を目的とした、信頼性の高い[オープンアクセス]]なデジタルリポジトリです。[[欧州原子核研究機構]とOpenAIRE(Open Access Infrastructure for Research in Europe)という二つの組織が協力して、2013年に設立されました。

その主な機能は、研究者による研究データのアップロードと公開です。あらゆる研究分野の研究者が、自身の研究成果として得られたデータセット、ソフトウェア、プレプリントなどをZenodoに保存し、世界中の研究者と共有することができます。個々のファイルサイズの上限は50GBと設定されており、大規模なデータセットの保存にも対応できます。

Zenodoが重視している点は、データの永続的な保存とアクセスの容易性です。研究データは、研究活動の重要な成果物である一方、適切に保存・管理されなければ、失われるリスクがあります。Zenodoは、堅牢なインフラストラクチャとデータ管理システムによって、研究データの長期的な保存と、いつでもどこからでもアクセスできる環境を提供しています。

さらに、Zenodoは研究データの引用可能性を高める機能も備えています。研究データは、論文や書籍などの出版物と同様に、研究活動において重要な役割を果たしており、適切に引用されるべきです。Zenodoは、データセットにDOI（Digital Object Identifier）を付与し、他の研究成果物と同様に引用できるようにすることで、研究データの可視性と影響力の向上に貢献しています。

GitHubとの統合もZenodoの特徴の一つです。GitHubは、ソフトウェア開発者にとって重要なプラットフォームであり、多くの研究プロジェクトにおいて、研究に使用されるソフトウェアコードがGitHub上で公開されています。ZenodoはGitHubと統合されているため、GitHub上で公開されているコードをZenodo上で引用可能にし、コードとデータの関連付けを容易にしています。これにより、再現性のある研究を促進する効果が期待できます。

Zenodoは汎用的なオープンアクセス・リポジトリとして、多くの研究者から支持を集めており、著名な研究者であるピーター・スーバー氏からも推奨されています。また、2017年にはGoogle Summer of Codeプロジェクトにも選ばれ、その技術的な信頼性と社会的な意義が認められました。

Zenodoは、研究データの共有と保存、引用可能性の向上、そして研究の再現性を高めることを通じて、科学研究の発展に貢献する重要なプラットフォームです。Invenioというオープンソースソフトウェアを基盤として構築されており、そのソースコードは公開されているため、コミュニティによる改善や拡張も可能です。Zenodoは今後も、研究データの管理と共有における課題に対応し、研究活動を支援していくことが期待されています。

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