Algorand

Algorand（アルゴランド）とは

アルゴランドは、2019年にMIT（マサチューセッツ工科大学）のシルビオ・ミカリ教授によって創設されたブロックチェーンプラットフォームです。ミカリ教授は、ゼロ知識証明の研究で知られており、その知見がアルゴランドの設計にも活かされています。

アルゴランドの主な特徴は、以下の通りです。

NFT（非代替性トークン）の作成が容易：手軽にNFTを作成・管理できるため、クリエイターやコレクターにとって魅力的なプラットフォームです。
取引手数料が低い：低コストで取引が可能であるため、日常的な利用にも適しています。
フォークしない：ネットワークが分裂するフォークが発生しないため、安定した運用が期待できます。
ネイティブトークンはALGO（アルゴ）：プラットフォーム内で使用される仮想通貨です。

歴史

アルゴランドは、2017年にミカリ教授によって設立されました。開発は、Algorand財団とAlgorand Inc.の二つの組織によって進められています。

Algorand財団：エコシステムの成長、賞金プログラム、暗号研究、オンチェーンガバナンス、ノード管理など、ネットワークの分散化を促進する活動を行っています。
Algorand Inc.：ボストンに拠点を置く民間企業で、アルゴランドプロトコルのコア開発を担っています。

2019年4月にテストネットワークが公開され、同年6月にメインネットワークが稼働を開始しました。

技術

アルゴランドは、ブロックチェーンが抱える「トリレンマ」問題の解決を目指しています。このトリレンマとは、「分散化」「スケーラビリティ」「セキュリティ」という3つの重要な要素を同時に満たすことが難しいという問題です。

アルゴランドは、独自のコンセンサスアルゴリズムを採用することで、このトリレンマの克服に挑戦しています。

コンセンサスアルゴリズム

アルゴランドでは、プルーフ・オブ・ステーク（Proof of Stake: PoS）を基盤としたビザンチン合意プロトコルを採用しています。このプロトコルは、以下の3つの段階を経てブロックを生成します。

1. ブロック提案フェーズ：
プルーフ・オブ・ステークの原則に基づき、ネットワーク参加者の中から委員会がランダムに選出されます。
委員会メンバーは、保有するALGOの量に応じて選出確率が変動します。
選出は「暗号ソート」と呼ばれるプロセスで行われ、各ユーザーはローカルで検証可能なランダム関数（VRF）を実行することで、自分が委員会に選ばれたかを確認します。
委員会に選出されたユーザーは、ブロック案を作成し、VRFの証明書と共にネットワークに公開します。

2. ブロック確定フェーズ：
新たに暗号ソートによって選出された投票委員会が、提案されたブロック案を分析・検証します。
投票委員会は、提案されたブロック案の有効性を検証し、合意形成を行います。
* 投票委員会がコンセンサスを得た場合、そのブロックがネットワークに追加されます。

アルゴランドのコンセンサスアルゴリズムでは、各フェーズで委員会のメンバーが変更されるため、攻撃者が特定のユーザーを狙うことが困難です。また、同じラウンドで複数のブロックが合意に至ることはありません。

スマートコントラクト

アルゴランド上のスマートコントラクトは、ASC1（Algorand Smart Contracts）と呼ばれています。


アルゴランドは、その革新的な技術と設計思想により、次世代のブロックチェーンプラットフォームとして注目を集めています。

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