BEACON

平沢進の14thアルバム『BEACON』は、2021年7月28日に自主レーベルTESLAKITEからリリースされました。前作『ホログラムを登る男』から約5年半ぶり、核P-MODEL名義を含めると『回＝回』以来3年ぶりのアルバムとなります。本作は、一枚を通してストーリーが展開するコンセプトアルバムであり、平沢自身の声をこれまで以上に多用した作品となっています。

ファンクラブ会員特典として、収録曲「転倒する男」の没バージョンや、「BEACON」「TIMELINEの終わり」のカラオケ音源が無料でダウンロード提供されました。アルバム発売に先駆けて、2021年4月のライブ『24曼荼羅』では、「BEACON」と「TIMELINEの終わり」が披露されました。また、リリース1週間前には、YouTubeオフィシャルチャンネルにて「TIMELINEの終わり」と「COLD SONG」のリリックビデオが公開されています。

アルバムはBandcampでもデジタル版が販売されており、2021年9月7日には日本経済新聞でディスクレビューが掲載されました。記事では「宗教的な雰囲気 陶酔感たっぷり」と評され、「平沢流前衛オペラ」とも表現されています。

アメリカのレビューサイト「Rate Your Music」の2021年年間アルバムチャートでは、プログレッシブ・ポップ部門で6位と高い評価を受けました。さらに、2022年には「TIMELINEの終わり」と「BEACON」のミュージックビデオが公開され、話題を呼びました。

収録曲は以下の通りです。

1. BEACON
2021年4月28日のライブで先行公開。ファンクラブ会員にはカラオケバージョンも提供。
2. 論理的同人の認知的別世界
ギター、シンセベース、ドラムマシンのみを使用した楽曲。以前は「空論的同人の認知的別世界」という仮タイトルでした。
3. 消えるTOPIA
KORGのソフトシンセサイザーが使用されています。
4. 転倒する男
ファンクラブ会員限定で没バージョンが公開されています。
5. 燃える花の隊列
平沢のツイートで曲名と歌詞の一部が先行公開されました。
6. LANDING
7. COLD SONG
ヘンリー・パーセルのオペラ『アーサー王』の劇中歌のカバーで、平沢が歌詞を新たに書き下ろしています。
8. 幽霊列車
9. TIMELINEの終わり
2021年4月29日のライブで先行公開。ファンクラブ会員にはカラオケバージョンも提供。
10. ZCONITE
インスト曲で、平沢が咳き込んだ時の音がサンプリングされています。
11. 記憶のBEACON

アルバムには平沢進本人がボーカル、ギター、シンセサイザー、プログラミングを担当しています。

チャート成績としては、オリコン週間アルバムランキングで12位、週間インディーズアルバムランキングで2位を記録。Amazon音楽ランキングでも2位を獲得しており、平沢進関連のアルバムとしてAmazonでの過去最高の売り上げを記録しました。

『BEACON』は、平沢進の音楽的な探求心と実験精神が結実した作品であり、ファンはもちろん、幅広い音楽愛好家にとっても聴き応えのあるアルバムです。

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