BOOM

UNICORN - BOOM

『BOOM』は、日本のロックバンドUNICORNが1987年10月21日にリリースした、初のオリジナルアルバムです。結成からわずか3ヶ月というスピードでCBS・ソニーのオーディションに合格し、メジャーデビューを果たした彼らの、初期の勢いが凝縮された作品と言えるでしょう。

背景

広島で出会った川西幸一、手島いさむ、堀内一史（EBI）の3人が結成したUNICORN。その後、奥田民生と向井美音里が加入し、現在の形となりました。川西がバンド結成のためにメンバーを集め、手島を誘い、堀内を誘い、奥田を誘うという流れで、UNICORNが誕生しました。

録音・制作

本作のサウンドプロデューサーには、笹路正徳とFENCE OF DEFENSEの西村麻聡が参加。レコーディングでは、プロデューサーからの要求に応えることにメンバーは精一杯であり、レコーディングやアレンジの基礎的なことを笹路から多く学んだと述べています。

音楽性と歌詞

ニュー・ウェイヴ、ハードロック、パンク・ロックなどを基調としつつ、フュージョンや16ビートの要素も取り入れた、バラエティ豊かなサウンドが特徴です。奥田民生の希望によりメロディを重視した制作が行われ、「リズムがハード、旋律がポップ」というコンセプトが基本となっています。

歌詞は、デビュー当時のメンバーの年齢や経験から、等身大の若者の視点が反映されています。宇都宮美穂は、奥田の「歌詞なんてどうでもいいんですよ。曲さえよければ」という発言を引用しつつ、「なんという無意味な言葉の羅列ぶり」と表現しています。

楽曲について

アルバムには、初期のUNICORNを代表する楽曲が多数収録されています。

Hystery-Mystery: デビュー前から演奏されていた、勢いのあるナンバー。ライブでも頻繁に演奏され、PVも制作されました。
Game: スカのリズムを取り入れた、奥田民生らしい「翻弄される男」を描いた楽曲。歌詞の一部がレコーディング倫理委員会（レコ倫）の規制により変更されたというエピソードも。
Maybe Blue: UNICORN初期の代表曲であり、TBS系ドラマの主題歌にも起用されました。切ない歌詞とメロディが印象的なバラード。
Concrete Jungle: シャープなビートとマイナーなメロディが特徴的な、初期の代表曲。上京したばかりのメンバーの心情が反映されているかのようなタイトルです。
* Limbo: 川西幸一のユーモア溢れる歌詞と、EBIの陽気なラテンのリズムが融合した、UNICORNの新たな一面を見せる楽曲。

リリースとプロモーション

アルバムはLP、CD、CTの3形態でリリースされ、オリコンチャートでは最高77位を記録。テレビ番組への出演やライブ活動を通じて、プロモーションが行われました。

評価

音楽評論家からは、その音楽性と演奏技術が高く評価されています。特に、奥田民生のメロディセンスと、川西と堀内によるリズムセクションのテクニックは、他のバンドとは一線を画すと評されました。

まとめ

『BOOM』は、UNICORNの原点であり、その後の音楽活動の礎となった重要な作品です。初期の荒削りな魅力と、高い音楽性が同居した本作は、今なお多くのファンに愛され続けています。

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