CTAN

CTAN（Comprehensive TeX Archive Network）は、TeXシステムとその関連ファイル、ソフトウェアを網羅的に収集・提供する世界的なアーカイブネットワークです。1992年に構築が開始され、翌1993年に一般公開されました。TeXを利用するユーザーにとって、必須のリソースであり、その安定した運用はコミュニティに大きく貢献しています。

CTANの構造

CTANは、単一の中央サイトと、それを補完する多数のミラーサイトで構成されています。中央サイトがデータの管理を行い、ミラーサイトは中央サイトのデータを定期的に同期することで、ユーザーは地理的に近いサーバーから迅速にファイルやソフトウェアをダウンロードできます。これにより、ネットワークの負荷分散とアクセスの高速化が実現されています。

オリジナルCTANサイト

CTANのオリジナルサイトは以下の3つです。

ctan.org (アメリカ合衆国)
www.tex.ac.uk (イギリス)
www.dante.de (ドイツ)

ミラーサイト

CTANのミラーサイトは世界中に存在し、ユーザーは最適なサイトを選択して利用できます。以下に一部のミラーサイトを示します。

mirror.ctan.org（海外）

日本国内のミラーサイト：

北陸先端科学技術大学院大学 (JAIST), ftp.jaist.ac.jp/pub/CTAN/
KDDI研究所, ftp.kddilabs.jp/CTAN/
会津大学, ftp.u-aizu.ac.jp/pub/tex/CTAN/
山形大学, ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/CTAN/
奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST), ftp.naist.jp/pub/CTAN/
理化学研究所, ftp.riken.jp/tex-archive/

CTANの役割

CTANは、TeXユーザーが求める様々なファイルやソフトウェアを、一箇所で入手できる利便性を提供します。これにより、TeX環境の構築や拡張が容易になり、研究や論文作成における生産性向上に大きく貢献しています。

CTANの提供するファイルには、La[[TeX]]のスタイルファイル、フォント、マクロパッケージ、各種ユーティリティなど、TeX環境をカスタマイズし、様々なドキュメントを作成するための豊富なリソースが含まれます。また、新しいパッケージやアップデートも迅速に公開されるため、常に最新の環境を維持できます。

CTANと他のアーカイブ

CTANは、プログラミング言語Perlのパッケージアーカイブである[CPAN]に大きな影響を与えました。CTANの成功を受けて、CPANも同様の構造を持つアーカイブとして構築されました。また、R言語のCRANや、CEAN（Comprehensive Erlang Archive Network）も同様の思想に基づいています。

参考文献

Greenwade, G. D. (1993). The comprehensive TEX archive network (ctan). en:TUGboat, 14(3), 342-351.

関連リンク

CTAN Comprehensive TEX Archive Network
CTAN announcements list
CTAN TeXwiki
* CTAN にパッケージを登録する話

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