From

ゆずの32ndシングル「from」：慈愛の旅路から続く、新たな一歩

2010年12月1日、セーニャ・アンド・カンパニーより発売されたゆずの32枚目のシングル「from」。前作「慈愛への旅路」から約3ヶ月ぶりとなるこの作品は、彼らの音楽性と進化を改めて感じさせる、充実の内容となっています。

2つの楽曲、異なる魅力

表題曲「from」は、岩沢厚治が作詞作曲を手掛け、蔦谷好位置氏との共同プロデュースにより完成しました。5分を超える楽曲の長さは、ゆずの楽曲の中でも異例と言えるでしょう。じっくりと聴きこむことで、その奥深い世界観に引き込まれていく、そんな魅力があります。一方、カップリング曲「赤いキリン」は、北川悠仁が作詞作曲を担当。釣俊輔氏とゆずによる編曲が、楽曲に独特の彩りを添えています。この2曲は、互いに対照的な魅力を持ちながらも、ゆずの音楽性の幅広さを示す、重要な作品と言えるでしょう。

初回限定盤：特別なパッケージと貴重な映像

初回限定盤は、通常盤とは異なる特殊パッケージ仕様となっています。そして、大きな特徴と言えるのが、付属のDVD「YUZU DOCUMENT FILMS FUTATABI」。74分にも及ぶこのDVDには、ゆずのこれまでの軌跡を辿るドキュメンタリー映像と、厳選されたライブパフォーマンスが収録されています。

DVDには、大きく5つのパートが収録されています。

Introduction 13年目の決意: 「いつか」「恋の歌謡日」「飛べない鳥」「逢いたい」「夏色」といった、初期の代表曲から、彼らの成長を伺わせる選曲となっています。
Looking back 終わりは、始まり: 「サヨナラバス」など、過去を振り返るパート。過去の楽曲を通して、現在の彼らへと繋がっていく過程を見ることができます。
Seek 2人だけのエンターテイメント: 「おでかけサンバ」「贈る詩」など、2人の個性が際立つ楽曲が収録されています。彼らの音楽における自由さ、実験精神が感じられるでしょう。
Challenge ゆずオーケストラ: 「シシカバブー」「虹」といった、オーケストラアレンジによる楽曲。壮大で感動的な演奏は、聴く者の心を揺さぶります。
* On the road 原点進化: 代表曲「栄光の架橋」を収録。彼らのキャリアを象徴する一曲を通して、原点回帰と進化を同時に感じさせる、締めくくりにふさわしい選曲と言えるでしょう。

これらの映像は、単なるライブ映像の集積ではなく、ゆずの歩み、そして音楽に対する姿勢を深く理解するための貴重な資料と言えるでしょう。

ミュージックビデオ：新たな表現に挑戦

「from」のミュージックビデオは、YouTubeトイズファクトリーチャンネルにて11月15日に公開されました。注目すべき点は、ゆず本人が出演していないという点です。従来のミュージックビデオとは異なるアプローチにより、楽曲の世界観をより抽象的に、そして視聴者の想像力を掻き立てるような表現を試みています。

まとめ

「from」は、単なるシングルという枠を超え、ゆずのこれまでの歩みと、未来への展望を示す、集大成的な作品と言えるでしょう。楽曲、DVD、そしてミュージックビデオと、多角的なアプローチによって、リスナーに多様な感動と発見をもたらしてくれる、まさに「from」ゆずからの贈り物です。この作品を通じて、改めてゆずの音楽の魅力を再確認し、彼らの更なる活躍に期待したいところです。

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