Fsck

fsck（ファイルシステムチェック）とは

fsck（file system check、またはfile system consistency check）は、UNIX系のオペレーティングシステム（OS）において、ファイルシステムの一貫性を検証するための重要なツールです。ファイルシステムとは、ハードディスクなどのストレージデバイス上で、データをどのように整理し、管理するかを定めたシステムのことです。fsckは、このファイルシステムにエラーがないか、データが正しく保存されているかをチェックし、必要に応じて修復を行います。

fsckの主な役割

fsckは、主に以下の二つの役割を担います。

1. 自動実行によるファイルシステムの修復
OSがクラッシュしたり、正常にシャットダウンできなかった場合、次回起動時に自動的にfsckが実行されます。これは、ファイルシステムが不整合な状態になっている可能性があるため、その状態を解消し、OSが正常に動作できるようにするために行われます。

2. 手動実行によるファイルシステムのチェック
管理者は、ファイルシステムに何らかの問題が発生している疑いがある場合、手動でfsckを実行することができます。これにより、潜在的な問題を早期に発見し、重大な障害に発展するのを防ぐことができます。

fsckの仕組み

fsckは、ファイルシステムを構成するさまざまな要素をチェックします。具体的には、以下のような項目を検査します。

inode（アイノード）：ファイルやディレクトリに関するメタデータ（所有者、アクセス権、サイズなど）を格納するデータ構造です。inodeが破損していると、ファイルやディレクトリにアクセスできなくなる可能性があります。
データブロック：ファイルの実データが格納される領域です。データブロックが破損していると、ファイルの内容が失われたり、読み取れなくなったりする可能性があります。
ディレクトリ構造：ファイルやディレクトリが階層的に組織された構造です。ディレクトリ構造が破損していると、ファイルやディレクトリを見つけることができなくなる可能性があります。

これらの項目を検査し、矛盾やエラーを発見した場合、fsckは問題を修復しようと試みます。修復方法は、エラーの種類や深刻度によって異なります。

fsck実行時の注意点

fsckは、ファイルシステムの整合性を維持するために非常に重要なツールですが、実行する際にはいくつかの注意点があります。

データ破損のリスク
fsckは、エラーを修復するためにファイルシステムを書き換えます。その際、まれにデータが破損してしまう可能性があります。特に、物理的な障害（ハードディスクの故障など）が発生している場合は、修復がうまくいかない可能性が高く、さらにデータが破損してしまうリスクも伴います。そのため、fsckを実行する前には、必ずデータのバックアップを取っておく必要があります。
論理障害の場合
ファイルシステムが論理的に破損している場合、fsckだけでは完全に修復できない場合があります。このような場合は、専用のデータ復旧ツールなどが必要になることがあります。そのため、安易にfsckを実行するのではなく、専門家に相談することも検討しましょう。

fsck関連情報

以下にfsckに関連する情報をまとめました。

Background fsck：バックグラウンドでfsckを実行する機能です。これにより、OSの起動時間を短縮したり、システムを停止させずにfsckを実行したりすることができます。
fsckのマニュアルページ：
fsck(8) - OpenBSD（英語）
fsck(8) - HMUGリファレンスマニュアル（英語）
fsck(8) - Debianリファレンスマニュアル（日本語）
* Manpage of FSCK fsck(8) Linux 用、JM Project

fsckは、ファイルシステムの信頼性を保つ上で非常に重要なツールです。万が一に備えて、fsckの仕組みや使い方を理解しておきましょう。

もう一度検索