Hitorigoto

hitorigoto (ひとりごと)

「hitorigoto」（ひとりごと）は、日本の女性シンガーソングライター、KOTOKOにとって通算1枚目にあたるシングル作品です。2001年12月29日に、ビジュアルアーツ（現在のKey Sounds Label）からリリースされました。

本作は、一般的なCDショップなどではなく、同人誌即売会である「コミックマーケット61」の会場で頒布されたほか、後日通販という形で販売が行われました。KOTOKOの黎明期における、自主制作に近い形態で発表された意欲作と言えます。

収録されている楽曲は、「ひとりごと」とカップリング曲の「疾風雲」の2曲です。これらの楽曲は、いずれもKOTOKOさんが音楽学校在学中に卒業制作として手掛けた作品集『空を飛べたら…』に収められていた楽曲を、サウンドクリエイター集団I'veが新たにアレンジを施したものです。彼女の初期の音楽性が垣間見える貴重な音源となっています。

その後、「ひとりごと」は、彼女のメジャーデビュー後初のオリジナルアルバムである『羽-hane-』に、新たな歌詞と再度アレンジが加えられたバージョンとして収録されることになります。これにより、より多くのリスナーにこの楽曲が届けられることとなりました。アルバム収録にあたり歌詞が変更された点も、原曲との聴き比べにおいて興味深いポイントです。

カップリング曲の「疾風雲」に関しては、プロモーションビデオが制作されています。この映像は、同じくコミックマーケット61の会場で頒布されたI'veの映像作品集『I've P.V Collection vol.2』に収められています。当時の活動の一端を視覚的に記録した資料として、ファンにとっては重要な映像作品と言えるでしょう。

時を経て2009年には、「ひとりごと」の新たな展開がありました。KOTOKOさん自身によって、この楽曲の新バージョンが録音されたのです。この新録バージョンは、彼女の4作目のオリジナルアルバム『イプシロンの方舟』の予約・購入特典として配布されたボーナスCDに、2001年発表のオリジナル音源と並んで収録されました。同じ楽曲でありながら、時期による表現の変化を楽しむことができます。

さらに、KOTOKOさんの音楽キャリアの中で、「ひとりごと」のイメージが受け継がれている例も見られます。彼女の7枚目のオリジナルアルバム『tears cyclone -廻-』に収録された楽曲「夏恋」は、プロデューサーの高瀬一矢氏が「ひとりごと」の雰囲気をイメージしてアレンジした作品であることが知られています。このように、「hitorigoto」は単なる初期の作品にとどまらず、その後のKOTOKOの音楽に影響を与え続ける重要な起点となったシングルと言えるでしょう。

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