IRobot

iRobot Corporationについて

iRobot Corporation（アイロボット・コーポレーション）は、アメリカ合衆国のマサチューセッツ州ベッドフォードに位置する企業で、家庭用清掃ロボットの設計と開発を手掛けています。特に、自律型掃除ロボット「ルンバ」をはじめ、全自動モップ「ブラーバ」やフローリング洗浄機「スクーバ」などが広く知られています。グローバルな企業として、近年の業績は堅調で、2021年には世界収益が約7億5400万ドルに達しました。その収益の内訳によると、アメリカでは7億5400万ドル、EMEA（ヨーロッパ、中東、アフリカ）で4億7000万ドル、日本で2億2200万ドル、その他の地域で1億1700万ドルと、全体的に良好な成長を見せています。

2022年8月、米国の大手ネット通販企業AmazonがiRobotを買収すると発表しましたが、連邦取引委員会（FTC）や欧州連合（EU）の規制当局による審査が難航し、2024年1月29日にはその買収を断念することが発表されました。

歴史

iRobotは1990年に設立され、その創業者はマサチューセッツ工科大学の人工知能研究所にいたロドニー・ブルックスやコリン・アングル、ヘレン・グレイナーの3人です。設立から2003年までの間は赤字を続けましたが、2005年11月には株式公開を果たし、1億2000万ドルを調達しました。最初は、アメリカ軍やSWAT向けに爆発物処理用ロボット「パックボット」を開発しており、商用および家庭用の遠隔操作ロボットもいくつか手がけましたが、商業面では期待する成果を上げることができませんでした。

2002年には家庭用掃除ロボット「ルンバ」をリリースし、その販売が順調に推移したことで、同社の主力製品となりました。2016年には、かつての主要事業であった軍事用ロボット部門を売却し、家庭用ロボットに注力することを発表しました。

家庭用ロボットの進展

iRobotは家庭用ロボット市場においても先駆的な存在であり、2000年にはリアルな表情を持つアニマトロニクスの玩具「My Real Baby」を発売しました。2002年に発売された「ルンバ」はその後の成功につながり、2006年には200万台を超える販売を記録しました。さらに、2005年にはフローリング洗浄掃除機「スクーバ」を導入し、2006年には仕事場用ロボット「Dirt Dog」も発表しています。

主な家庭用ロボットの製品

• - ルンバ：自律型掃除ロボット。
• - ブラーバ：全自動モップ。
• - スクーバ：フローリング洗浄機。

研究用および軍事用ロボット

iRobotは家庭用ロボットだけでなく、さまざまな研究用および軍事用ロボットの開発も行ってきました。中でも「Genghis」は初期の研究用ロボットであり、国立航空宇宙博物館に展示されています。また、「PackBot」は危険な場所での偵察に使用され、イラクやアフガニスタンでの実戦でも運用されました。さらに、「Swarm」プロジェクトは群知能の研究を目的としており、DARPAの支援を受けています。

メディアと書籍

iRobotに関する情報はテレビ番組や書籍でも触れられており、特に「カンブリア宮殿」では創業者コリン・アングルのインタビューが放送されました。また、彼に関する著書『「共創力」 ルンバを作った男コリン・アングル』も出版されています。これらのメディアは、同社の革新とビジョンを広く伝える役割を果たしています。

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