ICloud

iCloudとは

iCloudは、Appleが提供するクラウドサービスです。2011年にサービスを開始し、当初は5GBの無料ストレージを提供していました。現在では、より多くのストレージ容量を提供する有料プランも用意されています。iCloudは、写真、動画、ファイル、連絡先、カレンダー、バックアップなど、様々なデータを保存・同期できます。これにより、ユーザーは複数のAppleデバイス間でデータをシームレスに共有できます。

iCloudの歴史

2011年4月: AppleがXcerion社からiCloud.comドメインを買収。
2011年6月: WWDC 2011でiCloudが発表され、開発者向けベータ版が提供開始。
2011年10月: iCloudが正式にリリース。
2014年8月: iCloudから著名人のプライベート写真が大量に流出する事件が発生。
2014年9月: iOS 8で2ファクタ認証が導入され、セキュリティが強化。

提供サービス

iCloud.com

ウェブブラウザ上でメール、連絡先、カレンダー、iPhoneを探す、iWorkの書類データにアクセスできます。iOS 6.0からはメモやリマインダー、iOS 8.0からはiCloud DriveやiCloud Photo Libraryにも対応。

iTunes in the Cloud

iTunes Storeで購入した音楽やアプリ、書籍コンテンツを他のiCloud対応端末に自動ダウンロードできます。購入履歴からの再ダウンロードも可能。日本では2012年2月22日より音楽自動ダウンロードサービスが開始。

iTunes Match

有料オプションサービスで、ユーザーの音楽ファイルをiTunes Storeの楽曲とマッチングし、DRMフリーの高品質な音楽をダウンロードできます。未販売の楽曲はクラウドにアップロード可能。日本では2014年5月2日よりサービス開始。

フォトストリーム

iPhoneなどで撮影した写真を自動的に他の端末に転送する機能。最新1000件の写真が30日間保存されていましたが、2023年7月26日にサービス終了。

iCloud Photo Library (iCloud写真)

撮影した写真や動画をiCloudに保存し、どのデバイスからでもアクセス可能になります。編集結果も自動的に同期されます。

iCloud用iWork

Webブラウザ上でiWorkの書類を閲覧・編集できるWebアプリケーション。Windows PCやMacとの間でデータ同期が可能。

iCloud Drive

様々なファイルをクラウドに保存・共有できるクラウドストレージサービス。FinderやWindows Explorer、iOSのファイルアプリから管理可能。

Mail Drop

iCloud Driveと連携したメール用のストレージサービス。大容量ファイルをiCloud上に保存し、メールで共有できます。

iCloudバックアップ

iOS端末のデータをiCloudにバックアップ。新しい端末へのデータ移行や復元をWi-Fi経由で行えます。

iCloudタブ

Safariで表示しているタブをデバイス間で同期する機能。

iCloudキーチェーン

アカウントID、パスワード、クレジットカード情報を安全に保存し、自動入力できる機能。

ファミリー共有

家族間でコンテンツや写真、カレンダー情報などを共有できる機能。購入コンテンツの共有や子アカウントの購入許可なども行えます。

MobileMeからの継承サービス

メール、連絡先、カレンダー、ブックマーク、メモなどのデータをiCloudに移行。iPhoneを探すや友達を探す機能も利用可能。

iCloudプライベートリレー

通信を暗号化し、個人情報や位置情報を保護する機能。iCloud+サブスクリプションで利用可能。

メールアドレスを非公開

Webサービス登録時に「捨てアド」として利用できるメールアドレスを作成できる機能。iCloud+サブスクリプションで利用可能。

システム要件

iOS: iOS 10以降を搭載したiPhone（5以降）、iPad（第4世代以降）、iPad mini 2、iPod touch（第6世代）。
macOS: macOS Sierra 10.12以降。
Windows: Windows 10、iTunes 12.7が必要。
* ウェブ版: 最新バージョンのSafari、Firefox、Google Chrome、Microsoft Edge、Opera推奨。

セキュリティに関する問題

2014年には、iCloudから著名人のプライベート写真が大量に流出する事件が発生しました。これを受け、Appleはセキュリティ対策を強化し、2ファクタ認証の導入やデータ復元時の通知機能などを追加しました。iCloudを利用する際は、パスワードの管理や2ファクタ認証の設定を徹底することが重要です。

まとめ

iCloudは、Apple製品ユーザーにとって欠かせないクラウドサービスです。データの保存、同期、共有を簡単に行えるだけでなく、プライバシー保護機能も強化されています。デバイスを複数利用するユーザーにとって、データの管理がより便利になるでしょう。

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