Iモード

iモードの概要

iモードはNTTドコモが提供した、世界初の携帯電話向けIP接続サービスです。利用者はフィーチャーフォンを通じて、キャリアメールやウェブページの閲覧を行うことができました。1999年にサービスを開始し、最初のイメージキャラクターには広末涼子が起用され、多くのメニューサイトが立ち上げられました。iモードの「i」は、インタラクティブ、インフォメーション、インターネット、さらに「私」を意味するものとして解釈されていました。

サービスの開始と成長

iモードは1999年1月25日に発表され、同年2月からサービスが開始されました。特にiモードメールは、安価な通信料で利用できるため、瞬く間に広がりました。しかし、1999年7月から通信の遅延が発生し、2000年には全国規模の接続障害も経験しました。このトラブルは需要に対するサーバーの処理能力不足が原因で、多くの報道がされました。

ドコモは対策として、iモードの広告を一時休止し、サーバーを増設するなどして状況を改善しました。同年には新しいシステムへ移行することも決定しました。

iモードの影響と後継サービス

iモードの成功を受け、他の携帯電話会社も同様のサービスを開始しました。これにより、日本の携帯電話業界は大きな変化を遂げました。しかし、スマートフォンの登場によりその重要性は低下し、2019年には新規受付を終了しました。

基本操作と通信

iモードの基本操作は非常にシンプルで、iモードボタンを押すことでメニューが表示されます。ウェブページにアクセスするためのブラウザも完備されており、さまざまなコンテンツが利用可能でした。通信はパケット方式で行われ、その料金はデータ量に基づいて計算されました。しかし、初期の頃は従量制料金が普及しており、使いすぎによる高額請求が社会問題となっていました。後にこの問題に対処するため、多くのプランが定額制に移行されました。

高セキュリティとウェブ規格

iモードは、NTTドコモが承認したコンテンツプロバイダのみが利用できる「iモード専用ネットワーク」を採用しており、セキュリティも高く、外部からのアクセスは制限されていました。また、Webの規格としては、一般的に普及しているHTTPとHTMLが採用され、より多くのコンテンツ開発が可能となりました。

各国への展開と結末

日本国外でもiモードの技術が導入されましたが、多くの国で期待された展開には至りませんでした。特に文化の違いから、携帯電話の利用スタイルが異なり、日本で成功したモデルがそのまま国外で通用するものではないことが明らかとなりました。また、ドコモは他社に対してiモードの技術を供与するも、大きな成功には結び付かず、多額の損失を計上しました。

現在の状況

iモードは2019年に新規受付を終了し、2026年3月31日にサービス自体が終了する予定です。これにより長い歴史を持つiモードですが、携帯電話業界は今後、スマートフォンを中心に変化していくことが予想されます。

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