LCU

LCU（エルシーユー）: 汎用揚陸艇の概要

LCU（Landing Craft Utility）は、アメリカ海軍や他の国々で使用される上陸用舟艇の一種です。英国海軍が開発した戦車揚陸艇（Tank Landing Craft; TLC）の系譜に属しており、その目的は多様な艦載車両や兵員の上陸を支援することです。LCUは、特に水深が浅い地域での揚陸や、一般的な輸送任務において高い柔軟性を発揮します。

戦車揚陸艇の起源

LCUの起源は、イギリス海軍が1940年代初頭に開発した戦車揚陸艇であるTLCにあります。この最初のモデルであるTLC Mk.1は1940年11月に進水され、その後、計30隻が建造されました。続く1941年以降には、航行能力を向上させるために、500トン級のMk.2や、600トン級のMk.3、さらには拡幅されたMk.4が次々と製造されました。アメリカが第二次世界大戦に参戦するまでに、これらの艇は各国海軍で幅広く運用されました。

アメリカ海軍においては、これらの艇がLCT（Landing Craft Tank）と呼ばれ、Mk.5やMk.6、さらにはMk.7として進化しました。特にMk.6は、艦尾にランプを設けて車両甲板を全通させた設計であり、兵員居住区を持つMk.7は中型揚陸艦としての役目を果たしました。これにより、戦車や大型艇を効率的に陸上に揚陸する能力が向上しました。また、これらのLCTは、戦後までに3,222隻が建造され、その多くが遠隔地での作戦に利用されました。

戦後の進化

戦後、アメリカ海軍はLCTをLCUに改名し、新たにLCU-1466級を配備しました。この船級は、従来のLCT-1級と同様、操舵室が後部に位置しています。しかし、さらに進化したLCU-1610級では、全通の車両甲板が採用され、艦載型には起倒式のマストが設けられ、揚陸艦のウェルドックへの収容を意識した設計が施されています。

LCUシリーズは、アメリカやイギリスのみならず、世界中で多様な型式が開発されています。最近では大型車両を複数搭載可能なデザインもあり、各国の海軍でそれぞれの運用ニーズに応じた改良が加えられています。日本の海上自衛隊では、輸送艇1号型が運用されており、戦車の搭載能力は持たないものの、一般的な輸送艦としての役割を果たしています。また、フランス海軍では双胴船型のLCU、L-CAT型を採用しており、これもまたLCUの一形態として注目されています。

参考文献

後続の研究や開発は続いており、LCUは海上における上陸作戦の重要な手段として、その役割を果たしています。

関連項目

• - 揚陸艦
• - 上陸用舟艇

もう一度検索