Lute

lute（ルーテ）は、現在Skyrocket株式会社が運営する、主にSNS向けに音楽動画コンテンツを提供するサービスです。この事業は、かつて存在したlute株式会社によって運営されていましたが、経営破綻を経て現在の運営会社へと引き継がれました。

lute株式会社による運営期

luteの歴史は、エイベックスグループに所属していた五十嵐弘彦氏が2016年にYouTubeで音楽動画サービスを開始したことに遡ります。翌2017年には、エイベックスグループ内の社内ベンチャーとして法人化され、lute株式会社が設立されました。法人化後、同社はInstagramのストーリーズ機能を活用した動画メディア「lute」を主軸事業とし、加えてアーティストのマネジメント業務も手掛けるようになります。取り上げる音楽ジャンルに限定を設けなかったことから、「lute」を通じて認知度を高めるアーティストやラッパーが多数現れました。

事業拡大の一環として、2018年6月には韓国のヒップホップレーベルであるHi-Lite Recordsと業務提携を結び、同時に同レーベル所属アーティストの日本国内におけるエージェント契約を締結しました。同年8月から9月にかけては、アイ・マーキュリーキャピタル、アトス・インターナショナル、TLM、ミクシィの投資子会社といった複数の投資元から出資を獲得し、2019年6月期には約3億3000万円の売上を計上するまでになります。

しかし、事業の収益性の低さから資金繰りが厳しさを増し、さらに社内での意見対立なども重なり、経営状況は悪化の一途を辿ります。これにより多くの社員が会社を去り、2019年9月には代表である五十嵐氏との連絡が途絶える事態が発生しました。五十嵐氏の状況は、後に代理人弁護士を通じて伝えられることになります。lute株式会社は、最終的に2019年12月4日付で東京地方裁判所より破産手続開始の決定を受けました。この時点での負債総額は約3億1000万円に上りました。

破産手続開始決定後、lute株式会社の元社員たちは債権者への対応に追われることとなります。五十嵐氏については、破産手続開始決定以降も消息が不明な状態が続いています。lute株式会社は、2021年5月18日に法人としての存在が消滅しました。

Skyrocket株式会社による事業再開

lute株式会社の破産に伴い、同社が保有していた各権利は、2020年4月に破産管財人によって競売にかけられることになりました。この競売には複数の企業が参加し、4月17日に行われた結果、インターネットメディア「NewSphere」などを運営するSkyrocket株式会社がluteの権利を落札しました。Skyrocket株式会社はlute株式会社の負債を継承することはありません。なお、この競売にはluteの創立メンバーが代表を務めるラフロワ合同会社も参加していましたが、最高入札額には届かず、落札には至りませんでした。

Skyrocket株式会社によるlute事業の再開に向けた動きとして、2020年8月25日にはYouTubeにティザームービーが公開されました。そして同年9月1日、約9ヶ月の空白期間を経て、「lute」事業はSkyrocket株式会社のもとで再び始動しました。

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