RedEyes

redEyes（レッドアイズ）

神堂潤による少年漫画作品。
『マガジンGREAT』、『マガジンイーノ』、『月刊少年マガジン＋（プラス）』（いずれも講談社）にて連載。
雑誌休刊後は、単行本描き下ろしという形で継続。
単行本は2022年3月17日現在で26巻まで発刊。
ヨーロッパでは2013年にフランス語版が14巻まで確認されている。

概要

未来を舞台に、2つの国家間の戦争を描いたSF架空戦記。
緻密な設定と世界観が特徴で、一部の言葉は現実のものを連想させる形に置き換えられている（例：アメリカ合衆国→ステイツ、英語・ドイツ語→エクラッド語・トイテナー語）。

未来世界ではあるものの、大量破壊兵器の使用不能、電子戦の破綻などにより、有視界での白兵戦が中心となっている。
ハイテク機器が高価で整備に手間がかかるため大規模戦闘には不向きであり、静止衛星軌道上に存在する「オービターアイズ」と呼ばれる戦略軍事衛星群により、超高空を飛行する兵器が自動的に撃墜されるため、戦闘は退化せざるを得なくなった。
そのため、有視界での歩兵戦力を増強する目的で、特殊強襲装甲、通称「SAA」と呼ばれる一種のパワードスーツが開発され、戦場へ投入されている。

あらすじ

統合暦182年7月7日、レギウム共和国軍はドラグノフ連邦軍に対して和議を申し入れた。
同年7月15日、「トーラスの和約」が締結され、2年8か月に及ぶレギウム・ドラグノフ間の戦争は、レギウム共和国の実質的な敗北で終結した。

終戦から3か月後、レギウム軍特殊精鋭部隊「ジャッカル」の隊長であったグラハルト・ミルズは、副長のユリアン・クレイズによって叛逆者の汚名を着せられ、死刑執行の日を迎えていた。
だが、護送中に海兵隊を殺害して脱走したミルズは、クレイズに復讐するため、たった1人で「戦争」を開始する。

かつての同僚である元ジャッカル隊員たちとの闘い、再会を経て、ミルズはクレイズが占領軍であるドラグノフ軍に所属していることを知る。
「ドラグノフからの祖国奪還」を第一目標とし、反抗を続けるレギウム国民軍へと合流。
国民軍のレオン・リーダス大佐立案による首都ソルグレン奪還作戦「ヴィオロンの溜息作戦」が発動され、ミルズもこれに参加し、作戦は成功する。

一方、ユリアン・クレイズは戦争を裏で操っていた旧ルーミス王国王党派組織、ディヴァンを掌握。
王家から受け継がれていたオービターアイズの制御コードを入手し、制御権を手に入れた。
試射を兼ねて、レギウムに侵攻すべく集結していたドラグノフ軍を一瞬で消滅させると、全世界へ向けルーミス王国の復活とルーミス同盟の提言を行った。
オービターアイズによる圧倒的な軍事力で加盟国を庇護し、それにより削減される軍事予算を宇宙開発へ投資することで、人口増や資源不足で逼迫した地球人類を救うのだと。

主な登場人物

登場人物の多くに、レーサーの名前の一部が含まれている。

元ジャッカル隊員

グラハルト・ミルズ
主人公。旧レギウム国防軍・陸軍特殊部隊ジャッカル隊長。反逆者の濡れ衣を着せられ死刑判決を受けるも脱走し、復讐を開始する。

ユリアン・クレイズ
元ジャッカル隊員。ドラグノフ連邦のスパイで、ミルズを陥れた張本人。ルーミス王国の王族でもあり、オービターアイズの制御コードを狙う。

レイニー・クルーガー
陸軍出身の元ジャッカル隊員。「ブレード使いのレイニー」の異名を持つ近接戦闘のエキスパート。妹を人質に取られクレイズに協力するが、後にミルズと行動を共にする。

バロス・ウォード
海軍海兵隊出身の元ジャッカル隊員。スナイパーとして「ジャッジメントアーチャー」と恐れられた。弟の治療を条件にクレイズに協力するも、弟の死後、山中で隠棲していたが、ミルズに協力する。

ロッシ・セリオーニ
元ジャッカル隊員。「猛毒」の異名を持つ暗殺者。クレイズの下で暗躍する。

クラウス・ガードナー
元ジャッカル隊員。情報収集・分析・操作のスペシャリスト。国民軍とクレイズ、両方に繋がりを持つ。

レギウム国防軍

アラン・クルサード大佐
レギウム国防軍の"英雄"にして"傭兵"。ミルズの才能を見出した人物。

レイラ・クルーガー中尉
クレイズの副官兼愛人。レイニーの妹。

ロビン・ストーナー退役大尉
対SAA兵装「パルスアーム」を使いこなせる唯一の人間。「ゴッドハンド」の異名を持つ。

レギウム国民軍

レオン・リーダス大佐
レギウム国民軍参謀部第1課長。知略に長けた"稀代の用兵家"。

ゼップ・ジベルノウ少尉
「亡霊」の二つ名を持つ、腕利きのクラダー。ヤガミ重工製のSAA「鬼神」を駆る。

エドワード・ハメル大将
レギウム国民軍総司令官。

レグトス人民戦線 (LPF)

イグナチオ・クリヴィーレ少佐
極右政党レグトス人民戦線の部隊長。クルサード大佐に対して「陰の英雄」とも言われている。

ヘイデン
「敵をブッ潰すのが快感だから」という理由で戦う「野獣」。

ルーミス騎士団

ルドルフ・チェカ
ルーミス騎士団の団長。「悪夢」と呼ばれている。

バルトロメ・ロレンソ
ルーミス騎士団陸戦部隊「黄の大隊」の大隊長。

イシュメル・スピーズ
ルーミス騎士団航空部隊「白の大隊」の大隊長。

ビガス・バウティスタ
ルーミス騎士団海兵部隊「青の大隊」の大隊長。

民間人

サヤ・ハミルトン
空爆で家族を失った孤児。ミルズと行動を共にする。

アンソニー・ハワード
元AGI社の技術者。SAA「MK-54」の開発主任。

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