WeChat

WeChat（ウィーチャット）

WeChat（中国語: 微信、拼音: ウェイシン）は、中国の大手テクノロジー企業であるテンセントが開発したコミュニケーションアプリです。このアプリは、インスタントメッセンジャー機能とソーシャル・ネットワーキング・サービス（SNS）機能を組み合わせたサービスであり、多くのユーザーに支持されています。WeChatという名前は、中国語で「微少のメッセージ」を意味し、その名の通り短いメッセージをやりとりすることに特化しています。

概要

WeChatの企画は2010年の10月に始まり、2011年の1月21日に中国国内でサービスが開始されました。その後、同年4月には「WeChat」として国際的に展開され、テンセントが以前から提供していたQQの発展形として位置づけられました。特に、メッセージング機能とSNS機能の融合が際立っており、中国国内外で広く利用されています。

WeChatは、他のメッセンジャーアプリに比べて中国の厳しいインターネット検閲の影響を受けにくい立場を確立しており、2018年まで特定の検閲の対象とされることはありませんでした。ただし現在では、各国の法律に基づいて運営されており、国際的なサーバーが設置されています。

利用状況

2015年には、登録ユーザー数が11億2000万人に達したと発表されて以来、その数字は増加の一途をたどっています。現在、WeChatは200以上の国と地域で利用されており、いくつかの言語版が提供されています。また、特に70を超える国と地域においてはナンバーワンのソーシャルアプリとしての地位を確立しています。

2016年の第1四半期には、月間アクティブユーザー数が約7億6200万人に達し、前年比で29%の増加を示しました。

機能

WeChatは、メッセージの送受信機能に加え、音声メッセージの送信、写真や動画の共有など多種多様なコミュニケーション機能が備わっています。具体的には、文字、音声、写真、動画、スタンプを使ったコミュニケーションが可能で、グループチャット機能も搭載されています。また、バージョン5.0以降、モバイル決済機能も追加されましたが、日本国内では利用できません。

アプリのメイン画面には「チャット」、「連絡先」、「発見」、「自分」というタブがあり、それぞれのタブを通じてユーザーはさまざまな機能を簡単に利用できます。特に「発見」機能では、友人向けに写真や動画をシェアでき、友人の投稿に「いいね」やコメントをつけることができます。

WeChat Pay

WeChatには、WeChat PayというQR・バーコード決済サービスも搭載されています。2013年から中国国内で開始され、以降、商品やサービスの支払い、他のユーザーへの送金が可能です。日本でも導入されており、LINE Payと提携することで日本国内の加盟店でも使用可能になりました。

監視と検閲

中国国内のWeChatでは、メッセージの監視と検閲が行われています。過去には、中国共産党により会話履歴が利用されて処罰された事例も報告されています。また、特定の単語が検閲対象でもあり、ユーザーのプライバシーは脅かされるリスクがあります。画像も監視されており、送信者には表示されたままでも、受信者には届かない場合があります。これにより、送信者は検閲受けたことに気づかないこともあります。

WeChatは、テンセントQQを基盤に発展したアプリであり、その機能性や多言語対応から国内外での影響力を持つ一方、監視・検閲という側面を持ち合わせていることが注目されます。

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