あいづ

快速「あいづ」：磐越西線を駆け抜ける列車

快速「あいづ」は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が磐越西線の郡山駅 - 会津若松駅間で運行している快速列車です。この記事では、現在の「あいづ」の概要から、かつて磐越西線を彩った様々な優等列車や速達列車の歴史までを紐解きます。

現在の「あいづ」

磐越西線の郡山駅 - 会津若松駅間では、1960年代以降、「あいづ」の名を持つ速達列車が様々な形で運行されてきました。2015年に「あいづライナー」が廃止された後、定期列車としての「あいづ」は一時姿を消しましたが、その後、キハ48形「みのり」を使用した臨時快速列車として、主に年始を中心に運転されていました。

2020年3月14日のダイヤ改正により、従来の快速列車に指定席車両が導入され、定期快速列車として「あいづ」の運行が再開されました。JR東日本の定期快速列車で指定席が設定されているのは珍しく、2022年3月のダイヤ改正時点では、釜石線を走る「はまゆり」と並んで数少ない例となっています。

運行概況

「あいづ」は、朝9・10時台、昼14・15時台、夕方17・19時台に1往復ずつ、1日に合計3往復運行されています。停車駅や運行ダイヤは他の快速列車とほぼ同じで、所要時間も同程度です。

停車駅

郡山駅
郡山富田駅
喜久田駅
磐梯熱海駅
猪苗代駅
磐梯町駅
会津若松駅

列車番号

「あいづ」の列車番号は、愛称のない快速列車と共通で使用されているため、番号にはばらつきがあります。

下り
1号：3233M
3号：3239M
5号：3241M
上り
2号：3232M
4号：3234M
* 6号：3242M

使用車両

「あいづ」には、仙台車両センター所属のE721系電車が使用されています。全列車4両編成で、郡山側の先頭車両には指定席区画が設けられており、回転リクライニングシート14席が設置されています。その他の区画は自由席として利用できます。ただし、車両メンテナンスの関係で、指定席車両が連結されない場合もあります。

磐越西線優等列車沿革

磐越西線は、首都圏と新潟地方を結ぶルートの一部として、戦前には寝台車を連結した夜行普通列車も運行されていました。しかし、優等列車が設定されたのは戦後のことです。

戦後復興期 - 東北本線列車の乗り入れ

1955年10月1日のダイヤ改正で、上野駅 - 仙台駅間の急行「松島」・準急列車、上野駅 - 青森駅間の夜行普通列車に、郡山駅で分割・併合する磐越西線乗り入れ車両が連結されました。1958年10月1日には、準急「あぶくま」が登場し、上野駅 - 会津若松駅間の直通列車は4往復に増えました。

1959年9月には、準急「ばんだい」（上野駅 - 喜多方駅間）が登場し、仙台方面からは準急「あがの」「あいづ」が乗り入れを開始しました。その後も、「ひばら」「いわしろ」といった準急が運行を開始し、磐越西線の輸送を支えました。

特急列車の設定

1965年10月1日、上野駅 - 山形駅・会津若松駅間に特急「やまばと」が運転を開始しました。当時は山形駅発着列車と区別するため「会津やまばと」とも呼ばれました。1968年10月1日には、「やまばと」のうち上野駅 - 会津若松駅間を運行する列車が「あいづ」に名称変更され、全区間単独運転となりました。

特急列車廃止後の展開

1982年11月15日の東北新幹線開業に伴うダイヤ改正で、急行「いいで」「いなわしろ」が廃止されました。急行「ばんだい」は郡山駅発着に変更され、特急「あいづ」の担当車両は秋田運転区に移管されました。1993年11月30日には、特急「あいづ」が廃止されました。

その後、1993年12月1日より郡山駅 - 会津若松駅間を運行する特急「ビバあいづ」が運転を開始しました。短距離・短時間の特急列車として、様々な特色が設けられました。しかし、2002年12月1日には「ビバあいづ」は「あいづ」に改称されました。

2003年10月1日、「あいづ」は快速列車に格下げされ、「あいづライナー」に名称が変更されました。特急料金が廃止され、自由席は普通運賃のみで乗車できるようになりました。2015年3月14日には、使用車両の老朽化により「あいづライナー」が廃止されました。

2020年、快速「あいづ」復活

2020年3月14日、指定席車両の設定に伴い、快速「あいづ」が設定されました。定期列車としての「あいづ」の愛称復活は17年ぶりのことです。

臨時特急「あいづ」の運転

2005年夏期以降、会津地方の観光キャンペーンに合わせて、特急列車として臨時運転されることもありました。2006年には上野駅発着の「あいづ」と仙台駅発着の「仙台あいづ」が運行され、2007年以降も定期的に臨時列車として運転されました。

磐越西線の歴史を彩る「あいづ」

「あいづ」は、磐越西線の歴史とともに歩んできた列車です。その名前は、時代とともに形を変えながらも、常に地域の人々の足として、観光客を魅了する列車として、その役割を果たしてきました。これからも「あいづ」は、磐越西線の風景とともに、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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