あしたの雪之丞

ゲーム概要

『あしたの雪之丞』（あしたのゆきのじょう）は、2001年8月31日にエルフ社によってリリースされたアダルトゲームです。このゲームは、後に続編となる『MASARU あしたの雪之丞2』（2002年9月27日発売）や、アダルトアニメ版も含め、関連商品が数多く展開されています。

作品の特徴

エルフはこれまでにもさまざまなジャンルの作品を手がけてきましたが、特に「ナンパ系」や「凌辱系」作品が多く見られました。その中でも、久々に純愛系の作品として登場したのが『雪之丞』であり、同級生シリーズに近いスタイルが取られています。新しいライターである井上啓二によってこの作品がリリースされ、マルチシナリオ・マルチエンディングの形式が採用されました。こちらの形式では、登場するヒロインとの恋愛関係がさまざまに展開されるため、プレイヤーは異なる結末を楽しむことができます。しかし、続編の『MASARU』では、雪之丞との物語がバッドエンドを経て終わりを迎えることで、井上は自身の創作が「不完全燃焼」であったと感じています。

絵画スタイル

本作のもう一つの特徴は、その独特なビジュアルスタイルです。リリース時には多くの衝撃が走り、一部では、デザインを手がけた「七瀬葵」という名前まで広まりました。エルフが制作当初に「ながせまゆ」としてクレジットしたものの、後に七瀬自身がこの名義を実は自分の別名義であったことを公表しました。これによりエルフのマーケティングとセンスが際立つこととなり、業界内での評価が一段と高まりました。

あらすじ

『雪之丞』の物語

ゲームは2章に分かれており、前半ではプレイヤーがどのヒロインとのストーリーラインを進めるかを選択することができます。後半では、それぞれのヒロインとの結末が描かれるという形です。他の作品とは異なり、Hシーンはハッピーエンドだけでなく、バッドエンドでも描かれています。

主人公である鹿島学園の生徒、春日せりなは、ある日ゲームセンターで不良グループに襲われそうになり、雪村雪之丞という美少年に助けてもらう予定が、結果的には彼がまったく役に立たず、幼馴染たちによって助けられます。翌日、雪之丞が彼女のクラスに転校生として入ってきます。彼は無口で冷淡な性格の持ち主でしたが、次第にせりなや彼女の仲間たちと関わることで心を開いていくことになります。しかし、穏やかな学園生活は長くは続かず、学園で誹謗中傷のビラがまかれ、彼の秘密が明るみに出ることで、過去の事故が再び彼の心に影を落とします。ここから、彼は真実と向き合うことになります。

『MASARU』の物語

続編の『MASARU』では、雪之丞が楽しんでいた日常生活に変化が訪れます。彼の過去の友人が意識を戻し、その影響から再びボクシングへの情熱が再燃します。彼と共に過ごす仲間たちも、それぞれ異なる葛藤を抱えています。物語は、それぞれのキャラクターが自らの未来に向けて進んでいく様子を中心に描かれ、最終的には全てのキャラクターの成長が描かれる形で締めくくられます。

登場人物

主要キャラクター

• - 雪村雪之丞: 本作品の主人公。元アマチュアボクサーで、過去の事故により心に深い傷を負っている。
• - 春日せりな: 彼と仲を深めていくヒロイン。彼女の人懐っこさが雪之丞を癒していく。
• - 久保勝: 雪之丞の昔の友人。彼の回復と成長が物語の重要な要素となる。

他にも、多くの魅力的なキャラクターが登場し、様々な人間関係が物語を豊かにしています。

音楽とアニメ化

本作には多くのテーマ曲が存在し、情緒豊かな音楽が魅力を増しています。また、2002年には作品をもとにしたOVAも制作され、アニメとしても人気を博しました。ピンクパイナップル社よりリリースされたアダルトアニメは、全4巻で構成され、作品の魅力を違った形で届けています。さらに、ガイドブックや小説作品も出版されており、様々なメディアでその世界観を楽しめるようになっています。

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