いつも2人で

映画『いつも2人で』（Two for the Road）

1967年に公開された映画『いつも2人で』は、オードリー・ヘプバーンとアルバート・フィニーが主演し、スタンリー・ドーネンが監督を務めた作品です。この映画は、結婚における試練と喜びを6つの時間軸を用いて描いたロードムービーです。ヘプバーンのキャリアの中での重要な作品とされており、その魅力は多くのファンに支持されています。

あらすじ

物語は1954年から1966年までの12年にわたり、夫婦のジョアンナとマークの旅を振り返ります。物語は6つの異なる時点から構成されており、各時代のジョアンナの髪型や乗っている車によって時間が示されています。ドーネン監督は「この作品は結婚の困難さを描いたもので、オードリーの作品に多く見られる恋の喜びとは異なる内容です」と語っています。

物語は次の6つの旅を交互に示します。最初の旅は、出会ったばかりの学生時代の2人のヒッチハイクの旅。次に結婚後の家族を含む旅行、さらに中古の車での2人だけの旅行、そして浮気が絡む旅、家族旅行を通じて危機を迎える様子が描かれ、最後に現在の再び訪れる危機が織り交ぜられています。

キャストとスタッフ

映画の製作はスタンリー・ドーネンが行い、脚本はフレデリック・ラファエルの原作に基づいています。音楽はヘンリー・マンシーニが担当し、特に「オードリーのために」という曲は映画のハイライトの一つとされています。特筆すべきは、ヘプバーンの衣装が当時の最先端のモッズファッションを取り入れたものであり、彼女の魅力をさらに引き立てました。

ヘプバーンのパフォーマンス

オードリー・ヘプバーンはこの作品に非常に個人的な関わりを持ち、自身の状況に似た設定を持っていたことから、役に入り込みやすかったと言います。役柄へのアプローチについては、彼女自身が通常のキャリアの一環として見せる魅力を超え、さらなる感情を伴う表現が求められました。監督や共演者との相互作用により、映画の境界線を越えたリアルな感情が生まれたことも評価されています。

音楽と撮影

映画の音楽を手掛けたヘンリー・マンシーニは、オードリーからの熱心な依頼に応じて参加しました。音楽は作品全体に大きな影響を与え、物語を彩る重要な役割を果たしています。撮影は車の中を中心に行われ、革新的なカメラワークが採用されました。特に、動く車内での撮影は独特の雰囲気を生み出し、観客を旅に引き込みました。

受賞歴と評価

『いつも2人で』は、アカデミー賞脚本賞にノミネートされ、サン・セバスティアン国際映画祭でも最優秀作品賞を受賞しました。映画ファンの間でもその人気は根強く、ヘプバーンの最高の演技の一つとされています。架空の夫婦の冒険を通じて、結婚の喜びと苦悩をリアルに描いたこの作品は、見る者に深い印象を残すことでしょう。

結論

この映画は、時代を超えた恋愛や結婚の問題に対する深い洞察を提供しており、多くの世代にとって共感できる要素が詰まっています。オードリー・ヘプバーンの魅力的なパフォーマンスと監督スタンリー・ドーネンの卓越した演出により『いつも2人で』は今なお語り継がれる名作となっています。

もう一度検索