いろどり

株式会社いろどりの事業と地域活性化

株式会社いろどりは、徳島県勝浦郡上勝町に本社を構えるベンチャー企業で、主に料理の飾りとして使用される葉類を扱っています。地域の生産者に対して需給情報を提供し、販売支援を行っているものの、直接的に葉っぱを販売することはありません。葉っぱの年間売上高は約2億6000万円に達し、地域経済への貢献も大きいです。

沿革

上勝町は人口1500人に満たない地方自治体で、高齢化率は50％を超え、過疎化が進行しています。この町の主な産業であったみかん栽培は、1980年代の輸入自由化や1981年の寒波の影響で深刻な状況に直面しました。そこで、農業指導員であった横石知二氏の提案により、1986年から葉や花の出荷が始まりました。しかし、当初は需要の把握が不十分で赤字を計上していました。一方で、横石氏は自身の資金で都市部の料亭を巡り仕事をし、つまの用途とニーズを学び、これを基に事業を立て直しました。

1999年には上勝町の支援を受け、法人化され、商品は主に料亭や温泉旅館に向けて販売されるようになりました。メディアにも取り上げられ、多くの人々の知るところとなりました。2012年には、横石氏の実績を元にした映画『人生、いろどり』も公開され、注目を集めました。さらに、総務省主催のイベントでは有名政治家が視察に訪れ、事業の取り組みが評価されました。

事業内容

株式会社いろどりは、農産物や林産物の加工・販売から、地域特産品の宣伝、観光案内に関連する業務、情報通信システムのソフトウェア開発まで、多岐にわたる業務を展開しています。また、人材育成のための研修やセミナーの提供も行い、農協と連携したプロジェクトにより地域の人々に活動の場を提供しています。

仕組み

同社の「彩事業（葉っぱビジネス）」は、生産者、農協、株式会社いろどりが連携して成り立っています。日々の需要予測を基に生産者に必要な情報を提供し、それを元に出荷計画が立てられます。生産者は常時新しい情報を受け取りながら、効率的に出荷する仕組みが整っています。

地域活性化

この彩事業は、地域の資源を活用し、高齢者にも安心して働ける環境を提供することで、成功事例として国内外で評価されています。特に上勝町は高齢化が進んでいるにもかかわらず、高齢者一人あたりの医療費が低水準を保っています。最近では、県外からの就農希望者向けに実際の生産現場でのインターンシップ研修も行い、さらなる人材確保につなげています。

メディアの取り上げ

『カンブリア宮殿』などのテレビ番組に出演したほか、横石氏の関連著書も多く出版されており、地域経済や高齢者の活躍についてのデータや情報が広く共有される場を提供しています。これにより、株式会社いろどりの活動はさらに注目を集め続けています。

株式会社いろどりは、地域の特性を活かして地元経済の活性化を図り、持続可能な社会の実現に向け、先進的な取り組みを進めています。

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