いろはにほう作

いろはにほう作

『いろはにほう作』は、小林よしのり氏による日本のギャグ漫画作品で、『週刊少年チャンピオン』（秋田書店）にて1984年から1986年まで連載されました。全9巻の単行本が刊行されています。

概要

作者である小林よしのり氏が、自身の出世作『東大一直線』の名脇役である「多分田吾作」を非常に気に入っており、その多分をアレンジしたキャラクターが本作の主人公、色埴ほう作です。

元々は『週刊ヤングジャンプ』に掲載された『布抜呆作伝』が原型となっており、『週刊少年チャンピオン』で初めて手掛けた作品として連載が開始されました。

連載当初は人気投票で1位を獲得するものの、その後は3〜4位に留まり、作者は当時のチャンピオンの誌面構成が影響したのではないかと分析しています。

単行本8巻からは「天才編」として、主人公ほう作が天才物理学者になるという急展開を見せます。それまでは一話完結形式でしたが、天才編からは連続したストーリーとなり、シリアスな場面も描かれています。

また、単行本7巻には、描き下ろしのエピソードも収録されています。

作者名義は「小林よしのり&異NORMAL-ZOKU」となっており、連載時にはスタジオ制を敷いており、山田浩一氏や広井英雄氏など、数名のアシスタントが参加していました。

登場人物

色埴 ほう作（いろはに ほうさく）

本作の主人公。コピーライターを目指して上京し、安田家に居候することになります。外見・言動ともにアホで、鼻水を垂らしているのが特徴。物語が進むにつれて、天才的な才能を開花させていきます。
安田 栗之介（やすだ くりにすけ）

ほう作の従兄弟。都会育ちの秀才で、学校でも人気者です。ほう作の奇行に驚きながらも、彼の才能を認めています。
安田 柿衛門（やすだ かきえもん）

栗之介の父で、ほう作の叔父。ほう作の奇行を「天才だ！」と評価し、可愛がっています。息子には厳しく、ほう作との才能の差を指摘することもあります。
安田 梨子（やすだ なしこ）

栗之介の母で、ほう作の叔母。最初はほう作を嫌っていましたが、徐々に彼のことを心配するようになります。若い頃は美人だったようです。
須田 日和（すだ ひより）

栗之介の彼女。当初はヒロイン的な存在でしたが、黒田姫子の登場以降は出番が減っています。
阿比留 猛（あびる たける）

ガキ大将。当初はほう作を馬鹿にしていましたが、次第に友達として付き合うようになります。物語後半では、天才になったほう作に戸惑いを感じています。
黒田 姫子（くろだ ひめこ）

ほう作の幼馴染。ほう作を追いかけて上京し、東京で暮らすことになります。ほう作に一途な愛情を注いでいます。
豪徳寺 経堂（ごうとくじ きょうどう）

文芸部の部員。ほう作を「真のアホ」と見抜き、その生態を観察・研究しています。ほう作に突っ込みを入れることが多いですが、時には手助けをすることもあります。
橘 ユリ子（たちばな ゆりこ）

文芸部の部長。美少女で、ほう作が一目惚れします。ほう作のことを奇人として見ています。

一発ギャグ

本作には多くの一発ギャグが登場し、読者を笑わせます。

毎度ぼっきにん
うずりゃんたま
ふまんたれぶー
若松マネージャー
いろはにブロディ
猛虎! 超破山 爆裂●●
どぼちて
全天周立体ちんぽ
どんどどどぼちて
さこさこの大移動
しり男
* はにゅ～

余談

本作終了後、『おぼっちゃまくん』が連載開始。
『おぼっちゃまくん』にほう作が登場するエピソードがあります。

作者である小林よしのり氏は、当時『北斗の拳』や『AKIRA』、『ガラスの仮面』などにハマっており、作中にこれらの作品が登場することがありました。

単行本5巻の最終話は『ゴルゴ13』風の作画で描かれています。

連載期間は2年、単行本は全9巻。当時の小林作品としては、『東大一直線』に次ぐ長さでした。

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