うらみちお兄さん

うらみちお兄さん：子供番組の裏側にある大人たちのリアル

『うらみちお兄さん』は、久世岳氏による人気Web漫画作品です。2017年よりPixivコミック内の『comic POOL』にて連載が開始され、現在も人気を博しています。舞台は、架空の子供向け教育番組「ママンとトゥギャザー」。主人公は、31歳の体操のお兄さん、表田裏道（うらみちお兄さん）です。一見、子供たちに笑顔を振りまく理想的なお兄さんですが、その実態は、社会の厳しさや不条理に疲弊した、等身大の大人でした。

教育番組という名の修羅場

「ママンとトゥギャザー」の出演者やスタッフは、裏道同様、それぞれに個性的な事情を抱えています。どこか抜けている、あるいは達観しすぎている面々の中で、裏道は不安定ながらも日々を過ごします。彼の心の内面は、時にしんどさや悲哀に満ち溢れ、思わず毒のある発言が漏れることも。しかし、子供たちへの優しさは本物で、彼自身、子供たちの信頼によって支えられていることを自覚しています。

個性豊かなキャラクターたち

表田裏道（うらみちお兄さん）： 元体操選手で、爽やかな外見とは裏腹に、精神的に不安定な一面を持つ主人公。子供の前では大人の世界の闇をやんわりと暴くことも。

蛇賀池照（いけてるお兄さん）： 歌のお兄さん。ルックス抜群のイケメンだが、天然で空気を読めない性格。おにぎりが大好きで、「チン」のつく言葉に弱いという奇妙な弱点も。

多田野詩乃（うたのお姉さん）： 歌のお姉さん。過去に様々な職を転々とした経験を持つ。彼氏との結婚を強く願っており、その話題にはシリアスな反応を見せる。

兎原跳吉： ウサオ君の着ぐるみを着る人物。裏道の大学の後輩で、よくちょっかいを出す。

熊谷みつ夫： クマオ君の着ぐるみを着る人物。裏道の大学の後輩で、真面目で常識人。

その他、ディレクター、振付師、プロデューサーなど個性的なスタッフ陣も登場し、番組制作の裏側で起こる様々なハプニングをコミカルに描いています。

アニメ化、ゲームコラボなどメディアミックス展開

『うらみちお兄さん』は、2021年にテレビアニメ化されました。豪華声優陣による個性的なキャラクターの演技、そして原作の魅力をそのままに、多くの視聴者を獲得しました。また、セガのアーケードゲーム『三国志大戦』や、GMOライブゲームスのスマートフォンゲーム『REALIVE!〜帝都神楽舞隊〜』など、様々なゲームとのコラボも展開されています。さらに、叡山電鉄とのコラボレーションも実施され、ラッピング車両の運行やコラボポスターの掲出など、多方面での展開が人気を支えています。

圧倒的な人気と受賞歴

『うらみちお兄さん』は、第3回「次にくるマンガ大賞」Webマンガ部門で第1位、2017年度の「WEBマンガ総選挙」インディーズ部門で第1位を受賞するなど、高い評価を得ています。2021年5月時点で電子版を含めたコミックス累計発行部数は150万部を突破するなど、その人気はますます高まっています。

まとめ

『うらみちお兄さん』は、子供向け教育番組という設定ながら、大人たちのリアルな悩みや葛藤をユーモラスに描いた、唯一無二の作品です。魅力的なキャラクターたち、ブラックユーモアあふれるストーリー、そしてメディアミックス展開と、多くの魅力が詰まったこの作品は、今後ますます注目を集めることでしょう。

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