おやすみプンプン

おやすみプンプン

概要

『おやすみプンプン』は、著者・浅野いにおによる漫画作品で、2007年に『週刊ヤングサンデー』に連載を開始し、その後『ビッグコミックスピリッツ』に移籍し続けられました。この作品は、全13巻で構成され、累計300万部以上の発行部数を誇ります。また、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門では審査員推薦作品としても評価されています。

物語は、普通の少年「プンプン」の波乱に満ちた人生を描いています。特筆すべきは、主人公とその家族、親戚が落書きのようなヒヨコの姿で描かれている点であり、周囲の人物や環境との対比が際立っています。作品内にはコラージュ技法や奇行も描かれ、シュルレアリスム的な要素が巧みに織り込まれています。

あらすじ

小学生編

プンプンは小学5年生で、転校生の田中愛子に恋をします。愛子との会話の中で将来の夢を語り、自らも夢を持とうとしますが、家庭内での複雑な出来事に見舞われます。特に、母の倒れた日や暴力的な父の姿は、プンプンにとってショックの連続でした。彼は友達と共に謎のビデオメッセージを見てしまったり、愛子とのデートに出かける予定が母の事故で台無しになったりと、希望と絶望が交錯する日々を送ります。

中学生編

時が経ち、中学生になったプンプンはバドミントン部に入部しますが、愛子との距離は依然として縮まりません。彼は愛子を思いながらも、他の生徒との交流や競争で葛藤し、最終的には内向的な性格に悩むようになります。特に、愛子が先輩と付き合っていることが心の傷となり、彼は孤独を深めることになります。

高校生編

高校で新たな環境に触れる中、プンプンは同級生である蟹江梓と親しくなりますが、お互いの感情に戸惑う中で、仲間たちとの関係が薄れていきます。彼は絵を通じて過去を振り返り、愛子への思いを再燃させるものの、心の中に抱える悲しみから逃れられません。結局、彼は高校の卒業後も孤独な生活を選びます。

フリーター編

就職せずフリーター生活を送るプンプン。そんな中、彼は愛子を再び見かけますが、彼女に再会できることはありません。彼は愛子のことを思って日常を送る一方で、南条幸という女性と出会い、共に創作活動を始めますが、家庭の問題や自らの心の葛藤が彼らの関係をつまづかせる要因に。

登場人物

物語には、プンプンの家族や友人たちが登場し、それぞれの視点から物語が描かれます。特にプンプンは、内面的な葛藤や人間関係の変化を経て成長していきます。また、愛子や叔父の雄一、母親との関係性もストーリーを豊かにしています。愛子に対するプンプンの想いは、彼の生き方や選択に大きな影響を与え、物語の重要なテーマとなっています。

書籍情報

『おやすみプンプン』は、全13巻が小学館から刊行されています。各巻には特典が付属した特装版もあり、ファンからも愛され続けている作品です。

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