くるみん

くるみんマークについての概要

「くるみん」とは、少子化対策として子育て支援に積極的に取り組む企業や法人に与えられる認定マークの愛称です。このマークは、日本の厚生労働省によって認定されたもので、正式には「くるみんマーク」あるいは「次世代育成支援認定マーク」と呼ばれています。企業はこのマークを商品や広告、公式文書に添付することができ、子育て支援活動を広くアピールすることが可能です。

背景と認定基準

くるみんマークは、2003年に成立した「次世代育成支援対策推進法」に基づき導入されました。この法律では、301人以上の労働者を雇用する企業に対して、少子化問題に対処するための「一般事業主行動計画」を策定し、届け出る義務が課されています。一方、300人以下の企業に対しては努力義務となっています。

認定を受けるためには、男性の育児休業取得者が過去3年間で最低1人いること、また女性の育児休業取得率が70%以上であることなど、複数の基準をクリアしなければなりません。このプロセスを通じて、多くの企業が子育て支援に関する取り組みを進めています。

プラチナくるみん認定

2015年には、くるみん認定を受けた企業を対象に、さらなる取り組みを促すための「プラチナくるみん認定」が開始されました。この認定は、従業員の育児と仕事の両立支援制度を高い水準で実施している企業に与えられます。これにより、企業は子育て支援の取り組みを深め、より良い労働環境の提供を目指しています。

マークの意味と利点

「くるみん」という名称は、赤ちゃんが包まれる様子を表しており、企業が職場全体で少子化や育児問題に取り組むことを象徴しています。このマークは、育児に理解のある企業であることを示すため、求職者や学生にとっての重要な指標となります。そのため、「くるみん」を持つ企業は、より優れた人材の獲得や、従業員のモチベーション向上などの効果が期待されます。

使用可能な場面

くるみんマークは、広告や広報資料、サービス業の制服や器具、公共文書など幅広い場面で利用することができます。企業の広報活動を通じて、このマークを使用することで、自社の取り組みをアピールすることができ、結果的に子育て支援に理解のある企業イメージの構築に寄与します。

くるみんの普及状況

2008年には埼玉県でわずか3社が認定を受けていた「くるみん」も、2016年には70社に達するなど、その普及が進んでいます。2023年現在の情報では、くるみん認定を受けた企業は2657社にまで増加しています。また、プラチナくるみん認定を受けた企業も増加傾向にあり、社会全体で育児支援に向けた動きが広がっています。

優遇措置

くるみん認定企業には、税制上の優遇措置もあります。例えば、くるみん認定やプラチナくるみん認定を受けた場合、一定の資産に対する割増償却が適用されます。これにより、企業は自社の取り組みを一層強化するためのインセンティブが与えられています。さらに、公共調達でも評価が高まることで、企業の受注機会も増加する可能性があります。

まとめ

「くるみん」は、少子化対策の一環として、企業が子育て支援に積極的に取り組む姿勢を示す重要なマークです。このマークを通じて、企業の社会的責任が実現され、育児に理解のある職場環境が整備されていくことが期待されています。

もう一度検索