こてっちゃん

こてっちゃん：愛され続ける牛もつ加工品

「こてっちゃん」は、エスフーズと伊藤ハムが提供する、牛もつを加工した食品のブランド名です。その名前は、牛の小腸を指す朝鮮語の「テッチャン」に、小さいものを表す接頭語「こ」を組み合わせたものに由来します。この名前には、親しみやすさと、素材である牛の小腸へのこだわりが込められています。

歴史

こてっちゃんの歴史は、1982年7月にスタミナ食品株式会社（現在のエスフーズ）から発売されたことに始まります。創業者の森島征夫氏が、戦後の闇市で食べたホルモンの味に感銘を受け、内臓肉の販売を始めたことが原点です。1972年には、アメリカで廃棄されていた牛の内臓を食材として開発し輸入を開始。そして、1981年より小腸を使った商品開発に着手しました。

当時、日本では豚の小腸に味付けをした「豚ホルモン」が一般的でしたが、硬さや臭いが敬遠されがちで、広く受け入れられているとは言えませんでした。そこで、こてっちゃんは、柔らかく食べやすいように、関東で親しまれているモツ煮込みを参考に味噌味で煮込むことを試みました。しかし、関西に本社を置くスタミナ食品の社員には、モツ煮込みを食べる習慣がなかったため、ピンと来ませんでした。そこで、フライパンで炒めて食べるという現在のスタイルへと方向転換しました。

小腸の持つ「硬さ」「臭さ」「見た目の悪さ」を克服するため、数ヶ月に及ぶ試行錯誤が重ねられ、ついに1982年7月に「こてっちゃん」が発売されました。発売当初から、家庭で手軽に調理できる点が受け入れられ、人気商品となりました。

CMと知名度向上

テレビCMでは、「甲子園の味」という企業ブランド名が使用され、財津一郎氏をはじめ、ぼんちおさむ氏や小堺一機氏、山田まりや氏など、多くの著名人が出演しました。特に、財津一郎氏が出演したCMは大きな話題を呼び、こてっちゃんの知名度を飛躍的に向上させました。

販売休止と復活

2003年には、BSE問題によるアメリカ産牛肉の禁輸措置の影響で、こてっちゃんの原料調達が困難となり、一時的に販売が休止されました。しかし、2007年4月からは、オーストラリア産の原料を使用し、販売が再開されました。販売再開を広く知らせるため、安田大サーカスを起用したCMが関西地区限定で放映されるなど、宣伝活動も再開されました。

2008年3月には全国販売が再開され、同年9月には同シリーズ商品の「こてっちゃん牛もつ鍋」も復活しました。現在では、アメリカ産とオーストラリア産の牛もつが使用されています。

多様なラインナップ

2018年2月時点で、「こてっちゃん コク味噌味」「こてっちゃん 旨み醤油味」「こてっちゃん 旨辛コチジャン味」の3種類の味が販売されています。また、こてっちゃんの一時販売休止中には、代替品として豚もつを使用した「とんてっちゃん」が発売され、こちらも現在も販売されています。

こてっちゃんの日

2018年には、エスフーズが毎年5月12日を「こてっちゃんの日」と制定し、日本記念日協会の認定を受けました。これは、5（こ）、10（て）、2（つ）の語呂合わせに由来しています。

こてっちゃんは、その歴史の中で、一時的な販売休止を経験しながらも、味と品質へのこだわりを貫き、現在も多くの人々に愛されています。

公式サイト

• - こてっちゃん公式サイト
• - エスフーズ株式会社

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