さがほのか

さがほのか：佐賀県が生んだ人気イチゴ

さがほのかは、佐賀県で開発されたイチゴの品種です。かつては、とちおとめ、あまおう、さちのか、紅ほっぺと共に、日本で広く栽培され、その名を知られる「五大品種」として親しまれていました。

しかし、佐賀県ではより優れた新品種「いちごさん」への切り替えが進められ、2021年にはその移行が完了しました。

特徴

さがほのかの果実は、一般的に大きめの円錐形をしており、表面は鮮やかな赤色で美しい光沢を放っています。酸味が比較的弱く、育成期間中の気候が温暖であれば、豊かな香りと甘みが際立ちます。また、果肉が比較的硬いため、傷みにくいという特徴も持ち合わせています。

一方で、炭そ病やうどんこ病に対する抵抗性が低いという弱点もあります。

品種開発の経緯

さがほのかは、開発当初「佐賀2号」という名前で研究が進められました。1991年に大錦を種子親、とよのかを花粉親として交配を行い、選抜の結果5つの個体が選ばれました。1992年から1993年にかけて系統選別が行われ、1994年には栽培特性試験が実施されました。1995年からは「佐賀2号」として各地で適応試験が行われ、1997年3月に品種登録の申請が出され、2001年に正式に品種登録されました。

しかし、2021年3月20日には、登録から20年間の育成者権の存続期間が満了し、その権利は消失しました。

イメージキャラクター

2007年からは、着せ替え人形として知られるリカちゃんがイメージキャラクターとして起用され、「わたし、ほのかに恋してる。」「子どもの頃から、ずっと好き。」といったキャッチコピーと共に、さがほのかのプロモーションに貢献しました。白やピンクを基調としたフリル付きのドレスを身にまとい、大きなイチゴを抱えるリカちゃんのイラストは、製品パッケージの包装フィルムにも使用されました。ポスターは2020年までに10パターン以上が制作されています。

しかし、次世代品種である「いちごさん」への切り替えが完了することに伴い、2020年をもってイメージキャラクターとしての役割を終えることが発表されました。

中国・韓国における無断栽培問題

近年、中華人民共和国および大韓民国の種苗関連インターネット販売サイトにおいて、さがほのかを含む日本で開発されたイチゴやブドウなどの農産物、計36品種が、開発者の自治体などの許諾を得ないまま掲載されていることが、2020年9月24日に農林水産省によって明らかにされました。これは、日本の知的財産権を侵害する行為として問題視されています。

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