しながわ中央公園

しながわ中央公園は、東京都品川区西品川に位置する品川区立の都市公園です。その広大な敷地は、地域の歴史や現代のニーズに応える多様な機能を有しています。

公園の成り立ちと歴史

公園の敷地の大部分は、かつて三菱マテリアルの工場があった場所を品川区が取得し、整備したものです。約2年間の造成を経て、2003年 4月1日に開園しました。その後も整備は進み、噴水などが完成した翌2004年 4月1日に全面的な供用が始まりました。

この公園は、全く新しい土地に作られたわけではなく、既存の品川区立トリム公園を取り込む形で誕生しました。トリム公園は1981年から既に開園しており、その名残として現在も園内にはトリム広場が残されています。品川区役所の目の前という立地もあり、開園当初から多くの近隣住民に利用されています。

2017年 1月には、公園のさらなる拡張が行われました。隣接する品川区中小企業センターを挟んで、下神明駅方面へと敷地が広げられました。拡張エリアには、災害発生時に緊急物資の輸送や情報収集の拠点となるヘリポート機能を持つ広場や、災害用の備蓄倉庫が整備され、地域の防災拠点としての役割も担うようになりました。

公園の歴史を遡ると、この地域が農耕地帯だった江戸時代には、「品川用水」が農業用水として利用されており、現在のテニスコートや多目的広場、災害用ヘリポート付近を流れていました。現在は暗渠化されていますが、かつての水辺の歴史を偲ばせます。

また、園内には歴史的な建造物の一部が移設され、保存されています。古戸越川に架かっていた「古戸越橋」（1933年竣工）の欄干がそれで、もともと約50メートル離れた暗渠水路の両岸に残されていましたが、道路整備に伴い公園内に引き取られました。

近年では、2020年に開催された東京オリンピックの聖火リレーにおいて、公園がセレブレーション会場の一つとなったことも特筆されます。全国から公募で選ばれた聖火ランナーが公園を訪れ、多くの区民や来園者が集まり、大会の雰囲気を盛り上げました。

主な施設

しながわ中央公園には、様々な目的で利用できる多彩な施設が整備されています。

マラソンコース
噴水
トリム広場
児童向け広場
ボルダリング施設（有料）
災害用ヘリポート
防災複合遊具
多目的広場（有料）
テニスコート（有料）
古戸越川の移設欄干

子どもから大人まで楽しめる遊具や広場のほか、本格的なスポーツ施設、そして災害時に機能する設備などが備わっています。

周辺環境とアクセス

公園の周辺には、品川区役所をはじめ、しながわ防災体験館、品川区立中小企業センター、荏原第五地域センター、品川区立二葉図書館など、品川区の主要な公共施設が集積しています。教育機関としては、青稜中学校・高等学校や品川区立豊葉の杜学園が近くにあります。その他、大規模な集合住宅や、地域に根ざした温浴施設である西品川温泉宮城湯なども近隣にあり、生活利便性の高いエリアです。

交通アクセスは非常に良好です。

東急大井町線下神明駅：徒歩約0分（公園拡張により駅に隣接）
京浜東北線大井町駅：徒歩約10分
山手線大崎駅：徒歩約15分
横須賀線・湘南新宿ライン西大井駅：徒歩約12分

複数の鉄道路線から徒歩圏内にあり、特に東急大井町線の下神明駅からは、文字通り駅に隣接しているため非常に便利です。

利用案内

公園自体は基本的に常時開園しており、無料で入園できます。いつでも自由に散策や休憩を楽しむことが可能です。ただし、テニスコートや多目的広場などの一部スポーツ施設は、利用時間が限られており、深夜や早朝の利用はできません。

ボルダリング施設、多目的広場、テニスコートなどは有料施設となります。また、利用には予約が必要な場合がありますので、詳細は公園事務所に直接お問い合わせください。公園専用の駐車場はありませんが、公園の目の前にある品川区役所の有料駐車場を利用することができます。

しながわ中央公園は、工場跡地の再生と既存公園の統合という歴史的な背景を持ちながら、地域の多様なニーズに応える施設を備え、さらに重要な防災拠点としての機能も担っています。日常的な憩いの場として、スポーツやレクリエーションの場として、そして災害時には頼りになる場所として、これからも多くの人々に利用され、親しまれていくでしょう。

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