なんてったってアイドル

小泉今日子「なんてったってアイドル」

「なんてったってアイドル」は、小泉今日子の17枚目のシングルであり、1985年11月21日にビクター音楽産業よりリリースされました。この曲は小泉のアイドル時代を象徴するヒット曲として位置づけられ、数々のバラエティ番組でも取り上げられるほどの人気を誇ります。

曲の背景と制作過程

シングルのタイトルは、公開募集で17万4千を超える応募作の中から選ばれました。最終的に、大西一弘の「なんてったって」と「アイドル」という2つのフレーズが組み合わさることで誕生したのです。この経緯は、当時のアイドルブームを反映したものであり、小泉のイメージや音楽性に新たな風を吹き込むことを目的としていました。

制作を手掛けたディレクターの田村充義は、同年に登場したおニャン子クラブなどの新たなライバルに触発され、小泉の音楽スタイルの変革が必要だと感じていました。詩は秋元康によって書かれ、彼は当時アイドル音楽にあまり見られないような言葉選びを意識して作成しています。曲の構成は元々Aメロから始まる形が考えられていましたが、作曲者の筒美京平の提案によりサビからスタートする形に変更されました。

大ヒットの実績

このシングルにより、小泉は『第36回NHK紅白歌合戦』に2年連続で出場することを果たしました。オリコンのシングルチャートでは初登場1位を獲得し、結果として28万枚以上のセールスを記録しました。また、『ザ・トップテン』や『ザ・ベストテン』でも最高1位を記録し、8週にわたりランキングに名を連ねました。最終的には累計出荷枚数が42万枚に達するなど、音楽シーンにおける重要な作品となったのです。

影響と後の展開

小泉は自身がこの曲を歌うことに対して特別な自信を持っていたものの、同時に「オトナが悪ふざけしている」と思う一面もあったと後に語っています。この歌は後年、秋元が作詞した『アイドルはウーニャニャの件』に影響を与えたこともあるなど、他の楽曲にもその影響が及んでいます。このシングルの別歌詞バージョンもアルバム『今日子の清く楽しく美しく』に収録され、同年の『ザ・ベストテン』でパフォーマンスが行われました。

タイアップとカバー

また、この曲は発売当初に富士写真フイルムのCMソングとしても使用され、さらに2006年には富士重工業のCMで再び採用されました。2024年にはサントリーの「クラフトボス」のCMにも起用されるなど、長い間多くの人に親しまれ続けています。

この曲をカバーしたアーティストも多く、田村ゆかりや桑田佳祐、ホ・ヨンジ、乃木坂46のメンバーなどがその代表例です。2024年には河合優実が同じくCM内でカバーするなど、世代を超えて愛される楽曲と言えるでしょう。

収録内容

シングルには、以下の楽曲が収録されています：

• - なんてったってアイドル（作詞：秋元康、作曲：筒美京平）
• - 背徳の令嬢（作詞：森雪之丞、作曲：中崎英也）
• - なんてったってアイドル・カラオケバージョン
• - 100%男女交際（作詞：麻生圭子、作曲：馬飼野康二）

「なんてったってアイドル」は、アイドルとしての小泉今日子と時代の空気を体現した楽曲であり、今でも音楽史に名を残す名曲とされています。

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