はかた地どり

はかた地どり

はかた地どりは、福岡県が誇るブランド鶏であり、その美味しさと品質の高さから、多くの人々に愛されています。福岡県久留米市に本社を置く「農事組合法人 福栄組合」によって、県内10か所の農場で大切に育てられています。

歴史

福岡県では、江戸時代から養鶏が盛んで、水炊きや筑前煮といった鶏肉を使った郷土料理が数多く存在します。しかし、1975年頃から安価なブロイラーが主流になると、「鶏肉の味が落ちた」という声も聞かれるようになりました。そこで、福岡の郷土料理をさらに美味しくするために、福岡県農林業総合試験場が鶏肉の開発に着手しました。

3年の開発期間を経て、1987年に福岡在来の軍鶏をベースとした「はかた地どり」が誕生しました。地鶏の開発としては、全国でも先駆的な取り組みでした。

2010年には、肉質をさらに柔らかくするために改良が行われ、現在のはかた地どりの原型となりました。この改良によって、郷土料理だけでなく、唐揚げやソテーにも合う肉質になり、幅広い料理でその美味しさを楽しめるようになりました。

2012年には地域団体商標を取得し、2017年には生産農場が食肉用鶏として日本初の農場HACCP認証を受けました。そして、2022年3月31日には、地理的表示保護制度にも登録され、その品質と地域性が公的に認められました。

鶏種

はかた地どりは、初期開発型と2010年改良型の2種類があります。

初期開発型：軍鶏の雄と白色プリマスロックの雌を掛け合わせたものです。
2010年改良型：軍鶏の雄と横斑プリマスロックの雌を掛け合わせた雄に、白色プリマスロックの雌を掛け合わせたものです。

栄養価

はかた地どりのむね肉には、疲労回復や認知機能改善に効果があるとされる機能性アミノ酸、イミダゾールジペプチドが豊富に含まれています。可食部100グラムあたり平均1800ミリグラムも含まれており、市販のブロイラーに比べて約1.5倍も高い値です。イミダゾールジペプチドの含有量は秋季に高くなりますが、年間を通して安定した数値となっています。

また、飼育期間が長いほどイミダゾールジペプチドの含有量が増加することもわかっています。慣行の84日出荷に比べて、95日や103日で出荷した方が、より多く含まれていることがわかっています。

イミダゾールジペプチドは水溶性のため、蒸して調理すると生肉よりはやや少なくなりますが、焼いたり揚げたりした場合には損失がないため、様々な調理法でその栄養を余すことなく摂取することができます。

さらに、はかた地どりのむね肉には、アンセリンやカルノシンといった、加齢によって衰える認知機能をカバーするといわれる成分も含まれています。これらの成分も、健康を気遣う方々にとって嬉しいポイントです。

まとめ

はかた地どりは、福岡県の豊かな自然の中で育まれ、その美味しさと栄養価の高さで、多くの人々に愛されています。福岡の郷土料理はもちろん、様々な料理でその美味しさを楽しむことができ、健康を気遣う方々にもおすすめです。

出典

* はかた地どり公式サイト

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