ひびき監査法人

ひびき監査法人：中堅監査法人の歩みと現状

ひびき監査法人（PKF HIBIKI AUDIT CORPORATION）は、日本の会計業界において中堅規模を占める無限責任監査法人です。世界的な会計事務所ネットワークであるPKFインターナショナルに加盟しており、グローバルな視点も取り入れた監査サービスを提供しています。

成立と成長

2014年、大阪監査法人、新橋監査法人、ペガサス監査法人の3法人が合併して設立されました。合併の背景には、それぞれの法人の強みと弱みを補完し合う戦略がありました。

大阪監査法人は、大阪府内に強固なクライアント基盤を有する中堅監査法人でした。一方、新橋監査法人とペガサス監査法人は規模は小さかったものの、それぞれ独自のネットワークを持っていました。大阪監査法人は東京への進出を図り、新橋・ペガサス両法人は大阪監査法人の規模とグローバルネットワークを手に入れることで、互いにメリットのある合併となりました。

合併後、ひびき監査法人は大手・準大手法人を除けば国内最大規模の監査法人となり、順調に事業を拡大しました。特に、大阪を拠点に、多くのクライアントを獲得していました。

近年の苦境

しかし、2023年3月、金融庁から業務改善命令を受けました。これは、監査業務における運営上の問題が指摘されたためです。この命令はひびき監査法人に大きな打撃を与えました。

その結果、多くの既存クライアントが他法人への監査人変更を表明せざるを得なくなり、売上高は大幅に減少しました。具体的な数字として、1年間で5億3,225万円もの減収となりました。これは、ニプロ、堺化学工業、ビジネスブレイン太田昭和といった主要クライアントの流出が大きな要因となっています。

現状と将来展望

2024年7月現在、ひびき監査法人の従業員数は社員21名、職員140名（公認会計士128名を含む）の計161名です。クライアント数は72社（金商法・会社法監査クライアント30社）となっています。

主要なクライアントは、大阪府内に集中しています。監査報酬上位クライアントの多くは、製造業や化学工業といった分野の企業です。

金融庁からの業務改善命令を受け、ひびき監査法人は厳しい状況に置かれています。しかし、PKFインターナショナルというグローバルネットワークと、長年培ってきた経験と専門性を活かし、再建に向けて努力を続けていくものと期待されます。今後の動向が注目されます。

沿革

ひびき監査法人の歴史は、合併以前の監査法人の歴史に遡ります。

1975年7月：有恒監査法人設立
1979年6月：ナニワ監査法人設立
1987年3月：監査法人新橋会計社設立
1997年7月：ペガサス監査法人設立
1998年3月：監査法人新橋会計社が新橋監査法人に名称変更、新宿に移転
2005年5月：ナニワ監査法人が北浜山本ビルに移転
2007年7月：有恒監査法人とナニワ監査法人が合併し、大阪監査法人となる
2012年2月：大阪監査法人がPKFインターナショナルに加入
2014年7月：大阪、新橋、ペガサスの3法人が合併し、ひびき監査法人が設立
2023年3月：金融庁より業務改善命令

この合併と業務改善命令という大きな転換期を経て、ひびき監査法人の今後がどうなってゆくのか、注目されます。

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