ふじのくに地球環境史ミュージアム

ふじのくに地球環境史ミュージアム

ふじのくに地球環境史ミュージアムは、静岡県が運営する博物館です。特徴的なのは、学校の再編で2013年に閉校となった県立静岡南高校の校舎を再利用（リノベーション）している点です。「百年後の静岡が豊かであるために」という理念を掲げ、地球環境史をテーマにした展示や活動を展開しています。

沿革

博物館設立までの道のりは、1986年度の県立博物館構想の検討から始まりました。当初は自然博物館としての検討が進められましたが、2003年度からはNPO法人静岡県自然史博物館ネットワークに自然史資料の収集・保管業務が委託されるなど、具体的な活動がスタートしました。

旧中部健康福祉センター庵原分庁舎を経て、2011年度には静岡南高校の校舎へ拠点を移転。2013年度には将来の博物館への移行を見据えた整備方針が策定され、2015年4月、ついに「ふじのくに地球環境史ミュージアム」が開設されました。

開館後は、地域住民や報道関係者向けの内覧会や記念式典が行われ、一般公開が開始されました。2016年には日本空間デザイン賞大賞を受賞するなど、そのユニークな展示デザインが高く評価されています。

施設概要

博物館の展示は、旧高校の教室を活かした10の常設展示室で構成されています。学習机や椅子を展示台として利用し、「考える展示」を演出している点が特徴です。以下に各展示室のテーマを紹介します。

1. 展示室1：地球環境史との出会い
映像壁面による導入空間
2. 展示室2：ふじのくにのすがた
自然の恵みと脅威を表現
3. 展示室3：ふじのくにの海
水面下の世界、海洋生物の標本
4. 展示室4：ふじのくにの大地
里山生態系の食物連鎖
5. 展示室5：ふじのくにの環境史
人の暮らしと自然の関係性
6. 展示室6：ふじのくにの成り立ち
地形や大地の成り立ち
7. 展示室7：ふじのくにの生物多様性
多様な生物の標本
8. 展示室8：生命のかたち
骨格標本による脊椎動物の進化
9. 展示室9：ふじのくにと地球
SDGs関連展示
10. 展示室10：ふじのくにと未来
地球温暖化への適応展示

受賞歴

日本空間デザイン賞大賞（2016年）
ドイツデザイン賞2018 コミュニケーションデザイン部門 Winner（2018年）
* FX国際インテリアデザイン賞 博物館・展示スペース部門最優秀賞

ふじのくに地球環境史ミュージアムは、過去の歴史を振り返り、現在そして未来の地球環境について考えるきっかけを与えてくれる、貴重な博物館です。リサイクルされた校舎という点も、環境問題に対するメッセージ性を高めています。

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