ぽっちゃり

ぽっちゃりの概要

「ぽっちゃり」という言葉は、一般的に肉付きが良い、ふっくらとした愛らしい外見を指します。特に、やや太めの若い女性について肯定的に使用されることが多く、近年ではこの概念が広まりを見せています。

定義

「ぽっちゃり」は、時に「肥満」やその侮蔑語である「デブ」と混同されることがありますが、これらの言葉には明確な定義の違いがあります。「ぽっちゃり」は、豊かな肉付きのある体形を指しつつも「デブ」とは異なり、より愛情を込めた表現とされることがあります。しかしながら、この用語の解釈は人により異なり、「デブの好意的表現」として考えられる場合もあります。

日本での展開

2000年代に入ると、日本のメディアは「太め」という表現を「ぽっちゃり」に言い換え、太めの女性を好意的に取り上げることが増えました。これは、従来の痩身女性が美しいとされる価値観が揺らぎ始めたことによるものだと言われています。特に、2007年には「ハニカミ王子」と話題の石川遼に対抗して、ジュニアゴルファーの古田幸希が「ぽっちゃり王子」という称号を得ました。さらに、2008年にはセシールが大きなサイズのレディース通販ブランド「plump（プランプ）」を立ち上げ、2011年には「ぽちゃまに」というマンガが登場しました。

2013年には、ぽっちゃり文化を広めるために「ぽっちゃり普及委員会」が発足し、初代会長にはアジアンの馬場園梓が選ばれました。その後、日本初のぽっちゃり女子向けファッション誌「la farfa」が創刊され、渡辺直美が初の表紙を飾るなど、ぽっちゃりに対する理解が深まっていきました。さらに、2019年には「ぽっちゃり女子プロレス」が立ち上がり、ますますこの文化は多様化していくこととなります。

欧米の動き

欧米に目を向けると、1967年にニューヨークのセントラル・パークで開催された肥満に対する社会的不名誉に対する抗議集会が「肥満受容運動」の起源とされています。この運動は、肥満の女性たちが積極的に自己肯定感を高めるきっかけともなりました。1979年には米国人女性キャロル・ショウが「BBW Magazine」を創刊し、太めの女性たちの美しさを周知させました。1980年代には、プラスサイズモデルがファッションの主流に登場し始め、1990年代にはさらなる多様性が求められるようになりました。

評価と批判

ぽっちゃりした女性たちの自信に満ちた姿やそれを支持するモデルたちの活躍は、肥満女性に対する社会のイメージを改善する一因と見られています。それでもなお、批判的な意見も存在し、ファッション業界の多様性の流れは時に若年層の摂食障害の原因であるとの指摘もあります。

さらに、ぽっちゃりした女性が「やわらかい」「優しい」といったステレオタイプに当てはめられることに対しても、批判の声があります。つまり、ぽっちゃりであるからこそ求められる振る舞いが厳密に定められており、その枠から外れることは許容されないという意見もあります。

また、健康面を重視する立場からは、いかに言葉を変えたところで、肥満が健康に対するリスクであることに変わりはないという批判が存在します。こうした意見は、今後のぽっちゃりという概念のさらなる進展にどう影響していくのか、大いに注目されるところです。

関連用語

• - マシュマロ女子: 柔らかさや包容力が強調された体型の女性を指すとされる。
• - ぷに子: 可愛らしさや愛嬌のある外見を持つ女性を意味する言葉。

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